中小企業へ女性活用提案/社会保険労務士法人ABC事務所福岡支部 増田 恭子

2013.08.19 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人ABC事務所福岡支部
増田 恭子 氏

 育児・介護休業法が施行されて今年で21年になる。政府は、子供が1歳(一定の場合は1歳6カ月)になるまで認められている育児休業制度を3歳まで延ばし、5年間で待機児童ゼロをめざす方針を決めており、経済界へ協力を要請し、2014年度の導入に向けて成長戦略に織り込む予定だ。休業期間が延び、給付も広がれば仕事との両立に悩む家庭にとっては選択肢が増えるが、企業や女性からは長期の休業に不安の声も上がっている。しかし、少子高齢化により不足する労働力を補うために女性の活用は必須であり、女性が働きやすい環境を整備する流れは、今後ますます加速していくと考えられる。

 昔に比べて育児休業を取得し職場復帰する女性は増加しているが、中小企業ではまだまだといったところが多い。私が担当している顧問先でも育児休業を一度も経験したことがない会社は少なくない。その原因の一つは、「育児休業の取得は会社にとって大きな負担」といった考えがあるように感じている。

 先日、顧問先から、パート従業員が出産のため会社を辞めるので手続きをお願いしたいと連絡があった。よくよくお話を伺うと、育児がひと段落したら戻ってほしいと本人に伝えたところ、本人も復帰したいと話したそうだ。それならば雇用を継続し、育児休業給付金を活用してはどうでしょうかと提案した。前例がなく、パート従業員なので考えもしなかったそうだが、会社の負担はどれくらいかかるかが知りたいとおっしゃったので、育児休業期間中は会社が給与を支払う必要がないこと、育児休業中に代わりの人材を雇い入れた場合にはコストがかかることなどを説明した。その後、社内で検討した結果、コストが思ったほどかからないという結論に達し、その方に育児休業を取得してもらうことになったと連絡があった。

 私は、最初の育児休業取得者が現れたことは会社にとって大きな前進であると考えている。意欲ある従業員やせっかく育てた人材を手放すことは大きな損失だからである。国の支援がより手厚くなっている現状も踏まえながら、顧問先の会社の利益につながる提案を続け、会社と従業員の発展と幸せに貢献できることが社会保険労務士としての喜びである。

社会保険労務士法人ABCオフィス福岡支店 増田 恭子【福岡】

【公式webサイトはこちら】
http://www.sharoushi-abcoffice.jp/

※タイトルの社名は連載時のものです。

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    平成25年8月19日第2933号10面 掲載

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