就業規則作成に細心の注意/あすか社会保険労務士法人 大東 恵子

2014.05.05 【社労士プラザ】

あすか社会保険労務士法人
大東 恵子 氏

 最近は起業と同時に就業規則のご依頼をいただくことが多くなった。残業問題やSNS問題、メンタルヘルス、ハラスメントなど、起業される方は、人事労務にまつわる様ざまな危険を感じており、極力リスクヘッジできるように、との思いが強いようだ。

 逆に、創業何十年、社員百数十人、という企業の就業規則を拝見すると、20年以上も改正がされておらず、よく問題が起こらなかったなあ、と驚くような内容になっているケースがとても多い。今まではラッキーにも、古い就業規則のまま何の問題も起こらずやってこれたのだ。

 就業規則を作る目的は、めったにいない問題社員がトラブルを起こしたとき、そうそう起こらないような事故が起こってしまった際に、論理的に適用し、不公平なく穏便に解決するような手段として、また、育ちや価値観の異なる人間を束ねるルールや原則として、絶対的な会社の憲法として重要な役割を果たしてくれる、といったところにあるのではないかと考えている。

 就業規則を作成する際、よく経営者から「ここまで想定しなければならないのでしょうか?」「うちは大丈夫だと思いますが?」と言われることがあるが、私は就業規則については、「作成は性悪説、運用は性善説」と考えている。会社の業績が良くなって利益が出ない限り、給料は上がらないし、賞与も出ないし、福利厚生も充実しない。問題社員が出てしまうと他の真面目な社員にまで迷惑がかかってしまう。経営者が人事管理、労務管理しやすい就業規則を作ること、これこそが働く社員の方々にとっても、一番良いと思う。

 「ES」(Employee Satisfaction、従業員満足度)なくして「CS」(Customer Satisfaction、顧客満足度)なし。企業価値を高めるためには、社員満足度が高くなければならない。ESを高めるための重要なツールとして就業規則は位置付けられ、我われ社会保険労務士は、企業と社員がともに成長するための重要な職責を担っている。私は労務管理のプロとして、これからも最新の法律や事例を研究し、細心の注意を払って就業規則の作成に当たっていきたいと考える。

あすか社会保険労務士法人 大東 恵子【東京】

【公式webサイトはこちら】
http://all-smiles.jp/

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掲載 : 労働新聞 平成26年5月5日第2967号10面

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