【主張】中小でも女性活躍推進へ

2024.03.07 【主張】
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 10年間の時限立法として施行されている女性活躍推進法が、令和8年3月末で失効時期を迎える。一定規模以上の企業に対して一般事業主行動計画の策定や情報公表を義務付けてきたが、国際的にみると女性管理職比率が低いなど、未だ女性の活躍が十分に進んでいるとは言い難い。

 中小企業を含めて取組みがさらに進むよう、同法の有効期限を延長するとともに、現在は常用労働者101人以上規模に課されている行動計画の策定および情報公表義務の対象企業のさらなる拡大が求められよう。

 令和元年に成立した女性活躍推進法等改正法では、行動計画策定義務などの対象を301人以上企業から広げた。男女雇用機会均等法や労働施策総合推進法などと一本化して改正し、パワハラ防止のための雇用管理上の措置義務も新設している。

 同改正法に関する衆議院の附帯決議では、全企業を対象とした行動計画の策定を恒常的な制度にするよう検討することや、ハラスメント行為そのものを禁止する規定の法制化の必要性などを検討すること、改正法施行後5年を待たずに施行状況を把握し、必要に応じて検討を開始することなどを盛り込んだ。

 女性活躍推進法の失効時期が2年後に迫るなか、厚生労働省では、有識者検討会を設置し、女性活躍推進の方向性について検討を開始した。ハラスメント対策のあり方についても議論していく。

 自社の状況の把握・課題の分析を踏まえた目標設定を求める行動計画の策定義務には、各社の実態に応じた着実な改善につながる効果が見込まれる。一方、女性管理職比率や男女別の採用競争倍率、男女の平均勤続年数の差異など、公表義務により企業が公開する情報は、女性が職業選択をする際の判断材料になるものだ。

 仮に公表義務の対象企業が広がれば、新たに義務が課される企業においても、人材確保のために取組みが前進することが期待される。中小企業への支援措置の創設とセットで、行動計画の策定と情報公表義務の対象を拡大することは、検討に値するだろう。

令和6年3月11日第3440号2面 掲載

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