【主張】実りの多い規制改革論議を望む

2013.10.07 【社説】
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 政府が進める「日本再興戦略会議」が、労働時間法制の見直しについても、前倒しで検討に入っている(本紙9月16日号1面参照)。規制改革会議や経済産業省の「産業競争力強化法案」なども同様な方向性を示し、規制から緩和に向けて、目下、百花繚乱といえるほど喧しい。

 政府が中心に置くのは、ジョブ型正社員の活用だが、労働側は先の参院選挙を前に、首切り施策として、反対姿勢を示しており、ひと波乱起きそうな状況である。

 分かりやすくいえば、管理職予備軍が、各企業で滞留し、報酬に見合う労働をしていないので、見直すべき、というのが政府の立場。これに対し、管理職としての裁量権も与えず、残業代を惜しんでの登用が背景にあり、搾取強化というのが、労働側の立場であろう。名ばかり管理職問題の再来ともいっていい。

 規制改革会議雇用ワーキング・グループ報告書によれば、ジョブ型正社員とは、通常の正社員と比べ①職務が限定②勤務地が限定③労働時間が限定(フルタイムであるが時間外労働なし、フルタイムでなく短時間)、いずれかの要素(または複数の要素)を持つ社員ということだそうだ。

 厚生労働省の調べ(11年の多様な正社員に関する調査、1987社、正社員300人以上が対象)によると、過半数(51.9%)で導入し、正社員全体の32.9%がそれに当たり、要素別では職務限定が28.0%、労働時間限定3.4%、勤務地限定が8.9%。「対象企業の半分がジョブ型を導入するほど進んでいるものの、形態が労働契約や就業規則で明示的に定められていないことが多いため、人事上、その特性に沿った取扱いがなされていないことが問題」だという。報酬に見合う労働貢献度となっていない、とはさすがに指摘していないが、この勢いで増加するとアイドリング社員ばかりになってしまう、と恐れている。とりわけ、女性社員の積極的な活用のためには、ジョブ型から「無限定型」への切替えが必要、と分からぬ話ではない。

 ただ、根っこが同じ問題を複数の会議でやっては、空ぶかしの観が強い。

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平成25年10月7日第2939号2面 掲載

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