【ひのみやぐら】〝食べる〟熱中症対策 

2017.05.29 【社説】
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 塩バナナ――。何とも美味しそうなネーミングだ。戸田建設東京支店の現場では昨年、熱中症対策の一つとして休憩時間に塩バナナを作業員に振る舞った。現場でとても好評だったため、今年も継続していくそうだ。塩バナナは名前のとおり、バナナに塩をふったもの。冷蔵庫にバナナを数時間冷やしておくのが、ポイントだという。塩をふりかけることで熱中症対策に欠かせない塩分をしっかりと摂取できるだけでなく、バナナに含まれる各種糖質はエネルギー補給となるメリットがある。

 熱中症対策には、水分だけではなく塩分の補給が欠かせない。熱中症は大きく分けると熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4つのタイプがある。なかでも、熱けいれんは汗を大量にかき、水分だけを補給した場合に起こる。人間は汗をかくことで、身体の中の熱を外に逃し体温を下げる。汗の中には電解質が含まれている。水分だけではなく、汗をかくことによって電解質も失われることになる。電解質で最も多いのはナトリウム。つまり塩だ。塩分は、筋肉の収縮を調節する役割がある。このため、塩分が足りないと手足がつるなど筋肉のけいれんを引き起こす原因となる。

 塩分を効率よく摂取するための定番メニューとしてはスポーツドリンク、経口補水液、塩飴、梅干しなどがある。近年は商品開発が進み、塩飴についていえば、レモン味、グレープ味など味の種類が増え、作業員の口を飽きさせないようにしている。とくに電解質を素早く吸収できる経口補水液は、緊急時にも役立つ優れた商品だ。

 一方で現場は毎日のように稼働していることから、塩分摂取のための食品や飲料は選択肢が多いほうがよい。戸田建設東京支店の現場では、塩バナナのほかにも、塩スイカ、トマト、味噌キュウリ、かき氷などいろいろな食べ物を提供している。塩分補給が熱中症予防に重要と分かっていても、やはり食べてもらわなければ意味がないし、作業員も美味しいものを食べたいだろう。同社の渡邉実安全管理課長は「会社からの感謝の気持ちを伝えたい」という。こうした細かい気遣いが、作業員を熱中症から守る。

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平成29年6月1日第2283号 掲載

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