【労働法超入門】育休と社会保険料免除

2021.10.30 【労働法超入門】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 育介法の改正とリンクする形で、社会保険の規定も修正されています。施行は、令和4年10月1日です。

 健保・厚年の保険料は、育児休業期間中、免除となるルールです。改正前(現行)の規定では、「休業開始日の属する月から休業終了日の翌日が属する月の前月までの期間、保険料を徴収しない」という規定になっています。

 文章をよく読むと分かりますが、要するに、休業が月をまたぐときは、数日休むだけで保険料が免除になるけれど、月をまたがないときは、数週休んでも、免除の対象にならないという意味なのです。

 女性は数カ月から1年以上休むのが普通なので、この規定でも問題なかったのですが、男性の育休は1~2週間が大部分です。「目端(めはし)の利く」被保険者は、どうせ休むのなら保険料の免除を受けようと、わざわざ「月をまたぐ」形で休業期間を設定するという弊害が生じていました。 

 保険料の免除は、賞与についても対象になります。賞与の免除額は小さくないので、賞与の支払月を狙って休業を取る被保険者もいると指摘する声もありました。

 このため、今回改正では、保険料免除規定の見直しを実施しました。

 まず、月払いの報酬に関する保険料ですが、「①月をまたぐ休業が免除の対象となる」点は従来と同様です。それに加え、「➁月をまたがなくても、休業日数が14日以上のときは、免除の対象とする」という規定を新たに設けました。

 次に、賞与に関する保険料については、一律に、休業期間が1カ月以上ある場合に限り、免除の対象とするルールに改めました。男性については、「数日」休むだけで、「イクメン」などとはやし立てる風潮が見受けられます。しかし、家庭的責任の公平な負担という観点からは、より長期の休業取得が求められます。ましてや、「保険料免除目当て」の休業など論外ということでしょう。

関連キーワード:

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。