業務連携で職域拡大を/武田労務管理事務所 武田 昌之

2017.05.07 【社労士プラザ】
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 士業として後発の社会保険労務士も法制定から来年50周年を迎える。

 私は平成5年の開業なので、早いもので法制定50年の半分を社労士として歩んできたが、ただ長くやっているというだけの社労士の端くれである。そんな私ではあるが、不遜ながら社労士業界の今後の展望を裾野の方から眺め、2点ばかり指摘したい。

 まずは職域の拡大についてである。社労士開業者の増加に対して、我われの顧客である中小事業者は景気後退や後継者難により減少傾向にある。

 これからは、地域密着型の家族経営の社労士事務所が減少して、広域広範に業務展開し、分野ごとに精通した社労士を抱える社労士法人が増加していくと思われるが、個人事務所と法人事務所が顧客を取り合うのではなく、両者間の連携がスムーズに行われることが望ましい。

 個人事務所が日常業務の多忙などを理由に処理できない助成金分野や労働条件審査、労働紛争などは、専門社労士のいる法人事務所に業務委託したり事務所間のワークシェアリングを行ったりすることで、顧客の要望に対応したサービスを提供できる。その結果、現在3割程度といわれる社労士の関与率も向上していくと思われる。過当競争による不適切な情報発信の防止にも寄与するだろう。

 さて次に、都道府県社労士会の活動もまた重要である。会員による会員のための組織であるから、会員自ら営業営利第一の目的から離れ、自主的かつ積極的に役員として活動し、総会、研修会、懇親会に参加し相互に切磋琢磨、情報交換をして、後継者の育成や社労士のアピールをしていかなければならない。ちなみに、都道府県会レベルの交流も有意義であり、わが福島県会は東日本大震災の支援が縁でいわき支部と長野県諏訪支部が全国に先駆けて姉妹提携を結び、研修や行事を通じて交流を行っている。

 また、ワーク・ライフ・バランスを推奨する社労士が医者の不養生になってはならず、自ら仕事と家庭・遊びを上手にこなしていく中で、法律知識だけの専門家ではなく、人情の機微に通じた人生経験豊かな人事労務の相談員としての人格が磨かれていくものと思う。常に社労士業界全体の利益を見据え、品位の保持に重きをおいて日々の業務に精励する心掛けがあってこそ、社会保険労務士という資格が将来的にも存続発展していけると信じるものである。

 ~ひと冬のアクを肴に花見酒~

武田労務管理事務所 武田 昌之【福島】

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TEL:0248-27-5411

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掲載 : 労働新聞 平成29年5月1日第3111号10面

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