【主張】価値あるマッチング強化

2017.04.03 【社説】

 本紙報道によると、厚生労働省は、平成32年1月の切替えをめざし、ハローワークマッチングシステムの刷新を設計・開発しているという(3月20日号1面掲載)。

 日々急速に深化しつつあるIT技術に即応するには、技術面はもちろんのこと、費用面でも大きな負担を強いられよう。しかし、求人と求職の確実・円滑なマッチングは、社会・経済を根底から支えるものである。今後も時代に合わせて継続的・定期的なシステム変更を躊躇なく実施して、国民の利便性アップに意を尽くしてもらいたい。

 厚労省では、システム刷新に向けて幅広い意見聴取に努めてきた。①来所せずにサービスを利用したい、②より使い勝手を良くしてほしい、③効果的な検索と情報収集できるようにしてもらいたい、④求人・求職の個々のニーズに即したきめ細かいサービスを受けたいなどの声が寄せられたという。こうした課題を一気に解決しようとしているのがシステム刷新である。

 ハローワーク側にとっても利点は大きい。現状では、同一事業所あるいは同一人物に関する他のサブシステムに蓄積されたデータ閲覧が迅速に行えない欠点がある。システム刷新後は、共通台帳化を実現して、事業所・個人の履歴情報などを一元管理できるようにする。

 たとえば、法人番号により事業所をヒモ付けして、労働基準行政機関が保有する情報との連携を強化するという。求人の不受理要件が拡大していることなどから、法令違反のチェック機能充実が有効に機能しそうだ。

 結果として、利用者への適切で迅速なサービス提供とともに、運用コストの削減に結び付くと考えられるが、その効用は単なるサービス提供に留まらない。求人・求職のマッチング強化は、経済状態にかかわりなく一定水準存在する失業率の引下げにつながる。労働力人口の減少が深刻さを増しつつあるなか、わが国にとっては必要不可欠な取組みである。

 中長期的展望に立ち労力・費用を惜しまず、先手を打って更新していくことが大切である。

掲載 : 労働新聞 平成29年4月3日第3107号2面

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