【今週の労務書】『新しい労働者派遣法の解説』

2017.03.11 【書評】

労働者視点で捉え直す

 一昨年の法改正以来、派遣元および派遣先の企業に向けた派遣法の実務対応を指南する書籍は多いが、本書は派遣労働者および派遣先に直接雇用される労働者の立場から、同法や関連する法令等についてその意義をどのように捉え、活用すべきかを説いている。

 今般の改正は労働者サイドからの批判が強いものであったが、感情論ではなく法令の本来の趣旨や成立・変遷の過程などを踏まえて詳細な説明がなされ、明らかに違法な扱いには労働者自らも適正な手続きに則って声を上げるべきと主張している。

 企業経営者には少々面白くない話もあるかもしれないが、違った立場から派遣法を捉え直すことは、制度の本質を深く理解するのに重要といえるだろう。

 (中野麻美・NPO法人派遣労働ネットワーク編著 旬報社刊、03-3943-9911 2000円+税)

 

掲載 : 労働新聞 平成29年3月6日第3103号16面

あわせて読みたい

ページトップ