【今週の労務書】『企業における労務監査の手引き』
2012.06.18
【書評】
現状に気付く機会提供
法令違反による社会的信用失墜や従業員とのトラブルによる損失回避を目的として、自主的に労務管理にかかわる関連法令の遵守状況の監査を実施する企業が増えているという。
本書は、労務監査について詳しく解説した、企業のコンプライアンス徹底に向けた手引書。
監査項目は、「労働基準関係(就業規則と労働契約等)」「労働安全衛生関係」「労働・社会保険関係」に大別され、「労務監査チェックシート」で全体像が把握できる。手続きや書類等を各項目冒頭にフロー図で示し、チェックポイントで確認項目を解説する流れが分かりやすい。
労務監査を行うことで、マニュアルを運用する立場の現場管理者が現状に気付く機会になると筆者。企業実務担当者の座右の書として活用を薦めたい。
(東内一明・中尾剛共 編、新日本法規出版 刊、TEL:052-211-1525、4200円+税)
平成24年6月18日第2877号16面 掲載