従業員第一主義のススメ/イキイキ社会保険労務士事務所 所長 秋山 美穂

2016.07.13 【社労士プラザ】

 開業して10周年を迎えた。この間、リーマン・ショックや東日本大震災など企業経営や雇用に大打撃を与える出来事、マイナンバー制度導入などの法改正等があった。顧客のニーズや労務管理に関する相談内容も随分変わったと感じる。

 問題社員とのトラブル、ハラスメント問題などの「対処策」の相談は減っていないが、従業員とともに良い会社を作っていきたいという「未来へ向けての施策」の相談が増えたように思う。

 このような相談に対しては、まず経営理念の確認や見直しを行う。歴史のある企業で、金庫に大切に保管していた理念を探し出し、過去の経営者の想いを知る機会となったこともある。新しい企業では、経営者の心の中にある理念のようなものを一緒に整理し明文化し、経営理念を作成する。

 理念の確認や作成プロセスでは、経営者が従業員への想い、思い描く会社の未来像を整理することができ、「それではいったい何をするか」を考えるスタートとなる。理念の整備後は、従業員を巻き込んで以下のような取組みを行い、イキイキと働ける職場、理念に基づき思い描く会社の姿へ近付けていく。

 ▽人事評価制度や目標管理制度の検討▽経営理念を追求するためにどのような行動をすれば良いかを考える「コンピテンシー作成」▽働く人や働き方の多様性を認め合う勤務体系や休暇制度の検討▽仕事以外の時間も充実しワクワクする福利厚生制度やレクリエーションの企画。

 これらを経営者サイドが決めてしまうのではなく、プロジェクトチームを作り(小規模な会社では全員参加)、従業員主体で進めていく。この作業中においては、経営者はなるべく意見を控え、従業員とはフラットな関係で参加してもらう。

 会社から「やらされていた」目標と違い、自分達で考えたものは真剣に取り組もうとする姿勢や連帯感が生まれてくる。また福利厚生などの充実で安心して楽しく働けることにより、パフォーマンスが上がり業績がアップし、愛社精神が養われ定着率も向上していく。

 「お客様第一主義」も大切だが「従業員第一主義」へと転換することが、遠回りのようで結果として業績アップの近道になるといつも感じる。今後も、たくさんの「イキイキ職場」をつくるサポートを続けていきたい。

イキイキ社会保険労務士事務所 所長 秋山 美穂【岡山】

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掲載 : 労働新聞 平成28年7月11日第3072号10面

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