就業規則づくりの職人に/社会保険労務士法人小柳労務コンサルティング 代表社員 小柳 将和

2016.10.15 【社労士プラザ】

社会保険労務士法人小柳労務コンサルティング
代表社員 小柳 将和 氏

 社会保険労務士の業務のなかで、私が最も重視しているのが、就業規則・諸規程の作成である。正確にいえば、最も好きな仕事であり、その分野の職人になりたいとさえ思っているが、それには明確な理由がある。

 事業主との打合せに際して、たとえば身元保証であれば、きちんと誠実に勤務する人であるとの太鼓判のような意味合いをお持ちなのか、損害賠償の際の連帯保証のことなのか、行き違いがないように事業主から聞き取り、身元保証人の適正な対象者や身元保証の期間にも限りがあること、身元保証制度の実際の運用などについて説明する。

 出退勤時のルール、たとえば勤務時間の記録を挙げても、タイムカードで運用しているとお聞きすれば、出勤時に打刻しているか、勤務開始時に打刻しているか、仕事を終えてからタイムレコーダーまでの移動時間はどの程度か、タイムレコーダーの前で社員が並ぶことはあるか、打刻漏れはどの程度発生しているか、細々とお聞きして現状を把握する。

 そのうえで、タイムカードはあくまでも打刻時間を示すものであって必ずしも勤務時間を示すものではないことや、事業所として運用しやすく、事務負担を軽減しつつ正確に勤務時間を把握する制度が必要であり、その手段はタイムカードがすべてではないことを説明する。

 そして、今後どのようにして勤務時間を把握し、給与計算につなげていくかを詰めていく。

 一事が万事、このような流れで事業所の現状を逐条的に把握し、今後の労務分野での改善点を整理しながら制度を設計し、規定化していくことにしている。

 当然のことながら、就業規則・諸規程が完成するまでには時間を要する。最低でも3カ月、標準的には半年程度の時間をいただいている。

 しかし、この打合せ期間を経ることで、労務分野がどれだけ奥深いものであるか、検討すべき点がどれだけ多いのか、そして、社会保険労務士という専門家が自社にとってどれだけ必要なものであるのかを十分にご理解いただけるようである。

 後日、事業主の方が手垢と付箋の付いた就業規則・諸規程を持って面談にお越しになると、作成者としてはうれしい限りである。職人としてはまだまだ未熟だが、これからも終わりなき修練の道を歩むつもりである。

社会保険労務士法人 小柳労務コンサルティング 代表社員 小柳 将和【新潟】

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TEL:0254-26-5854

 

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掲載 : 労働新聞 平成28年10月10日第3083号10面

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