「不機嫌な職場」から脱却を/増田経営労務管理事務所 所長 増田 一三
昨年秋に厚生労働省から発表された統計によると、新卒から3年以内の離職率は3年連続で30%を超える結果となった。
社会保険労務士業を生業として早30年余りが経つが、中小零細企業では、新卒や3年既卒者に限らず、入社後3年以内の離職率が高い傾向にあると、最近特に感じる。
企業が存続、発展していくには、ヒト・モノ・カネ・情報が必要であり、そのどれを欠いても企業として成り立たない。その中でも特に、ヒトを失くしては、企業を健全かつ安定的に運営することはできない。人材は「人財」であり、雇用の安定化、人材の定着化が、今まさに早急に求められる取組み、課題といえよう。
いわゆるブラック企業といわれる長時間労働を強いたり、残業代の未払いがある会社から、優秀な人材が去っていくことは食い止めようもなく、当然のことである。
しかしながら、昨今、同僚や上司とのコミュニケーション不足といった、会社との関係性が希薄になったことが根幹にあり、些細なことから離職にまで至ってしまうことも多い。コミュニケーション不足がもとで、うつ病など精神疾患を患い離職していくケースもめだつ。
かくいう私も、スタッフと良きコミュニケーションが図れているのかと問われれば、大手を振れるほどの身分ではないのであるが、常に心掛けていることが1つある。それは、スタッフへの声かけ「あいさつ」である。
「おはよう」「ありがとう」「よくできてるな!」「助かった!」何でも良い、何度でも良い、相手に視線を合わせて、いつもより少し大きな声でいってみる。
コミュニケーションの取れていない職場は「不機嫌な職場」になりがちだ。不思議といえば不思議、当然といえば当然であるが、不機嫌な職場に流れるその悪い「気」は、社内だけにとどまらず、大事な取引先、お客様の元へまでも流れ、そのまま貴社のイメージとなる。
「不機嫌な職場」からの脱却、また今後陥らないためにも、社内コミュニケーションを活性化するためのツールとして、日常のあいさつは「はじめの一歩」であり、「最効の一歩」と私は思う。是非、今日から皆さんにも実践していただきたい、私のオススメの逸品である。
増田経営労務管理事務所 所長 増田 一三【長野】
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