【ひのみやぐら】トップの姿を見せるパトを

2018.07.26 【社説】

 先月の全国安全週間では、多くの都道府県で労働局長によるパトロールが行われた。対象になった事業場は、地域の安全衛生行政トップが視察に訪れたことで、身の引き締まる思いとなったに違いない。また、事業場で働く人たちにも、よい緊張感を与えたのではなかろうか。労働局長によるパトロールは、行政が労働災害防止に対して本気で取り組むことをアピールすること、トップ自らが姿勢を示すことで、対象事業場はもちろん、地域や業界の安全衛生意識を盛り上げていくなどの目的がある。全国安全週間という〝意識付け強化期間〟に実施することで、相乗的な効果も狙っている。

 一般社団法人労務安全監査センターの東内一明代表理事は、安全衛生パトロールの基本的な目的を「会社の安全第一の方針、単なるお題目ではなく会社の全組織をあげて本気で取り組んでいることを、目に見えるやり方で分かりやすく示すこと」「会社の安全衛生方針や安全にとって不可欠の具体的な技術・方法を全社員に、具体的に教える」という2つの目的があるとしている。両者とも、とても重要な事項であるのはいうまでもないが、ここは前者の「会社の方針を目に見えるやり方で分かりやすく示す」のほうに注目してみたい。

 「安全はトップの決意」といわれるように、トップの考えは事業場の取組みを左右するといっても過言ではない。全国安全週間の歴代スローガンで「トップ」という言葉が何回も使われていることや労働安全衛生マネジメントシステムがトップの決意表明から始まることをみれば疑いの余地はない。

 そのトップが現場で真摯にパトロールをしている姿を見せるほど、安全衛生活動にとって効果的なことはないだろう。トップが先頭に立つ視覚的効果は、場合によっては、「言って、聞かせる」行為よりも十分、労働者に伝わる力が大きいのではなかろうか。毎年のように、労働局長のパトロールが行われるのは、この効果を狙ってのことなのは、いうまでもない。

 次回、トップによるパトロールを行うときは〝見せること〟を意識してみては。

掲載 : 安全スタッフ 平成30年8月1日第2311号

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