【主張】重大視すべき組織率格差

2018.02.13 【社説】

 厚生労働省が発表した平成29年労働組合基礎調査によると、労働組合組織率が17.1%に低下し、来年にはとうとう16%台に落ち込む可能性が高まっている。労働組合は、パートタイム労働者や中堅・中小企業など真に援助が必要な労働者層に積極的に手を伸ばし、危機感をもってオルグ活動に当たる必要がある。このままだと、大企業中心、自己防衛の組織とみなされ社会的発言力も低下の一途をたどりかねない。

 組織率の長期低落傾向に歯止めが掛からない。29年の労働組合員数は998万人となり、前年比40万人増加したものの、景気の拡大に伴って雇用者数全体が100万人近く増加したため、結果的に組織率は前年より0.2ポイント下落し、17%を切る寸前まで低下した。ほんのわずかな労働者しか労働組合の恩恵を受けられないということであり、社会のバランスがとれない。

 保守勢力であるはずの与党・政府が、労働組合の頭越しに賃上げ要求をしたり、労働条件を引き上げるための様ざまな労働法改正を行ってようやくバランスが取れているのが実情というほかない。5年続いた「官製春闘」ではっきりいえることは、労働組合の発言力、指導力の弱体化であろう。窮状を打開するには、組織率を一転して上昇させ勢力拡大する以外に道はない。

 組織化を進めるに当たっては、パートタイム労働者と中堅・中小企業の労働者を重点対象とすべきである。

 パートタイム労働者の組織率はようやく7.9%に到達した。パートタイム労働者数1530万人のうち120万人しか組織できておらず極めて不満な数値ではあるが、上昇率としては高く将来に期待が持てる。

 労働者数100~1000人未満の中堅・中小企業労働者の組織率は、なんと11%しかない。100人未満企業になると1%に達せずほぼゼロに等しい。これに対して1000人以上の大企業における組織率は44%に上り、格差は絶大だ。

 大企業の労働者へのバックアップをおろそかにできないが、本当に労働組合が必要なのは誰か再考してほしい。

掲載 : 労働新聞 平成30年2月12日第3148号2面

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