介護事業を自ら立上げ/松本労務総合事務所 松本 宗

2015.06.15 【社労士プラザ】

松本労務総合事務所
松本 宗 氏

 「やってみないと分からない」。自分自身が会社を経営していないのに、会社のことが分かるのか? 開業して6年になるが、そんな気持ちが当初からあった。そして去年、介護・障害事業(有料老人ホーム、訪問介護、デイサービス、居宅支援)を立ち上げた。人材に恵まれて、従業員は46人にまで増えた。

 2025年には、30万人の介護職員が不足すると予測されている。少子化が進むなか、労働力の掘り起こしが必要である。

 施設での食事づくり、掃除、送迎など短時間の仕事や、訪問介護などのように自分に合った時間や曜日を選択できる仕事があり、高齢者や子育て中の女性が働きやすい業種である。

 人材の「量」の確保と「質」の向上についての対応が求められる。どの事業所も人材不足であり、高い賃金で新規の求人を出したいところだが、在籍する従業員と賃金体系のバランスが崩れてしまうのが悩みである。

 新規採用が難しいため、離職率を低くすることが大切である。そのためには、助成金を活用して、働きやすい環境を整備することが有効な手段の一つである。助成金はいろいろあるが、介護保険の処遇改善加算でも、キャリアアップ(キャリアパス)が求められているため、評価・処遇制度や研修体系を整備した場合に対象になる「中小企業労働環境向上助成金」や、人材教育のための職業訓練を行った場合に対象になる「キャリア形成促進助成金」は、支給要件に該当する可能性が高い。

 また、移動介助中の「動作の反動・無理な動作」による腰痛や、入浴介助中の「転倒」などで負傷する労災事故が多く発生している。年齢が若い人の方が、腰痛の発生率が高くなっている。離職者が少なくなりベテラン従業員が増えれば、知識や経験が増え、労災事故の抑制になり、利用者へのサービスレベルの向上につながる。従業員や利用者の満足度も上がり、好循環が生まれる。

 少子高齢化による労働人口の減少の問題は、政治的な対策が必要であるが、企業は現在置かれている状況のなかで、労働力を確保するために、努力をしていかなければならない。我われ社会保険労務士も、企業の繁栄に向けて微力ながら協力していきたい。

松本労務総合事務所 松本 宗【愛知】

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掲載 : 労働新聞 平成27年6月15日第3021号10面

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