助成金活用し環境改善を/新宿総合労務事務所 所長 明日 仁

2016.03.30 【社労士プラザ】

 近年、助成金申請に関する問合せ件数が増加している。社労士や厚生労働省の活動が功を奏していることもあげられるが、本人申請の名の下、他士業や申請サポート業者の台頭も要因の一つである。

 しかしながら、助成金制度を、「申請をすれば、簡単に、すぐに国からお金がもらえる制度」と勘違いしている依頼者も多い。一般的行政手続きは、申請を受理されれば、その交付が認められる。他士業や業者などは、助成金制度もこの行政手続きの一般論と同様であるかのように吹聴していることが、勘違いを引き起こす原因であろう。

 助成金制度を上手に活用すれば、経営にとって金銭面だけでなく、社内体制の強化や人材面でのプラスも見込まれる。さらに、労働者個人にとっても、自身のスキルアップにつながる。

 実際、最近主流の助成金の多くが、社内の労働環境の整備や人材の育成に対して助成されるというものである。また、助成金の種類にもよるが、大原則として、先に事業主がお金を使い、しっかりとその助成金の趣旨に沿った労働環境の整備や人材育成を行った後に、助成金として、使ったお金の一定割合が戻ってくるという制度であり、決して申請だけすれば、簡単にお金がもらえるといったものではない。

 その点を社労士がもっと積極的にアピールして行くべきと考えている。弊所においては、相談を受けた際に、その助成金の意義や制度概要を述べ、その中での社労士の役割を述べる。もっとも、その役割というのは、法令が守られているか、労務管理が適切に行われているかなどの整備や運用などであり、通常の社労士業務の社会的意義を述べているにすぎない。このようないい方をすると、「皆で助成金制度の申請をしましょう」と呼びかけ、ライバルを増やしているように思う方もいるかもしれないが、実際にそう思い、かように申し上げている。

 先にも述べたが、助成金制度は事業主の経営をラクにする意味もあるが、それにより事業所の従業員の雇用環境や能力を向上させるものでもある。この点は、まさに、社労士の存在意義である。そのため、助成金制度を広めることは、社労士の存在意義を広め、業務を行える場が広がると考える。

新宿総合労務事務所 所長 明日 仁【東京】

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掲載 : 労働新聞 平成28年3月28日第3058号10面

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