助成金制度の目的理解を/なかむら社労士事務所 中村 光子

2015.01.26 【社労士プラザ】

なかむら社労士事務所
中村 光子 氏

 社会保険労務士の資格を取得し16年、開業してもうすぐ5年目を迎える。顧問契約をいただく内容は企業によって様ざまである。労務相談・就業規則作成など、社労士本来の労務顧問がメーンであるが、メンタルヘルス対策のセミナー講師や助成金申請支援の依頼も最近多い。

 「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)」は、導入された平成23年度から積極的に企業に紹介して申請支援し、26年度は10社ほど支援した。本制度は、事業場内の最も低い時間給を計画的に800円以上に引き上げる中小企業に対して、労働能率の増進に資する設備・機器の導入、研修等の実施に係る経費の2分の1(上限100万円、労働者数によっては4分の3)の補助金を支給するというもので、この助成金を活用したいという企業も年々増えてきている。ただその一方で、コンサルティングを行っている段階において、事業場内の最低賃金額引上げといった条件が満たせず、最終的に助成金申請を見送ったケースもあった。

 助成金の種類は多々あるが、コンサルティングの際は、例えば企業の技術・生産性向上、就労環境の改善といった当該助成金本来の目的が達成されることを念頭に置いて取り組んでいる。こうした現状の中で、企業の雇用問題の相談を受け、制度の改変とともに助成金の活用ができるケースでは、説明を行うと、前向きに検討する企業が増えてきている。

 また、最近は、非正規社員のキャリアアップに助成金の活用を希望する中小企業が多くみられる。教育訓練や正社員転換制度等を導入するケースにおいても、訓練を行う目的や諸制度を導入する目的について、経営者だけでなく労働者もよく理解してから始める必要があると思う。助成金の本来の目的が経営者・労働者ともに浸透していないケースでは、せっかく労働者がキャリアアップしても、その後企業に貢献するという目的が達成できない可能性がある。

 助成金の内容を説明するのは簡単だが、それだけに終わるのではなく、助成金活用の本来の目的を伝え、労働者も経営者もお互いが良い方向へ向き、企業として良い成果が生まれるような付加価値の高いコンサルティングを今後もめざしていきたい。

なかむら社労士事務所 中村 光子【長野】

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掲載 : 労働新聞 平成27年1月26日第3002号10面

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