非営利組織の意義に注目/社会保険労務士白澤事務所 代表 白澤 義之

2013.12.23 【社労士プラザ】

社会保険労務士 白澤事務所 代表
白澤 義之 氏

 阪神・淡路大震災、そして東日本大震災後の復興の中で、自助・共助・公助の充実が叫ばれている。特に、公的機関の手が届きにくい、個別具体的なニーズに対応すべく、多くの民間支援活動が行われているが、その中心をなすのが、町内会やNPO法人を始めとする非営利組織である。わが事務所でも多くの非営利組織とお付き合いをさせていただいているが、その志の高さとは裏腹に、事業の継続に頭を悩ませている団体も多い。

 非営利組織とは、一般的に「構成員の大部分または一部が無給のボランティア」であること、「利潤の追求を目的としない」団体をいうが、資金面での制約、またその組織の性格上、高額の報酬で構成員のやる気を引き出すといった手法を採りづらいため、「メンバーの高齢化への対応」や「モチベーションの維持」といった、人事労務分野の多くの課題を抱えているのである。

 そもそも、多くの非営利組織は、「地域に貢献したい」、「困っている人を助けたい」という熱い想いによってスタートしているので、「事業計画」の段階では、大変魅力的なものが多い。しかし、非営利組織の日常は地味で日の当たらない仕事の繰り返しである。そのような中で、多くの人の協力を得て、事業を成功に導くためには、その“意義”や“価値”を共有することが不可欠である。同じ「石を積む」という行動をするにしても、「石を積んでいるだけ」と捉えるのか、「石積みによって教会ができる」という目的を知っているのか、「石積みによって建設された教会は人々の心を癒す」という意義を感じているのかによって、そのモチベーションは大きく異なるのである。

 現在、私は、社会保険労務士の仕事を通じて得た知識や経験を、少しでも地域社会に還元すべく、町内会や消防団、PTA、NPOなどの活動に参加し、非営利組織が抱える課題に対して、多くの方と協働している。「市民による公益の実現」という社会的使命とその団体の活動を通じて得られる個人の自己実現、この両者をいかに果たしていくか、頭を悩ませる日々だ。今後も、人事労務の専門家として、非営利組織が持っている“意義”や“価値”を高め、皆でその“志”を共有することに力を尽くしていきたい。

社会保険労務士白澤事務所 代表 白澤 義之【東京】

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掲載 : 労働新聞 平成25年12月23日第2950号10面

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