キャリアが説得力生む/社会保険労務士法人 南社会保険労務士事務所 南 宏道

社会保険労務士法人 南社会保険労務士事務所
南 宏道 氏
最近、社労士のタイプについて、「○○+社労士」という言葉をよく耳にする。「IT+社労士」、「カウンセラー+社労士」、「銀行マン+社労士」などだ。この「○○+社労士」というスタイルは、プロフェッショナルタイプまたは自分オリジナルタイプの社労士像を作る原点となる。出発点としては前職(自分のキャリア)を活用したパターンが多いと思われる。
さて、これを私自身に当てはめるとどうか。私の場合は「自分のキャリア全般+社労士」と考える。
大学卒業後、酒類卸売会社に勤務、酒屋を継ぎ、経営者としてコンビニエンスストアに業態を変更するなど、いろいろ改革も行ったが、2004年の酒類自由化により幕を閉じた。その後、税理士事務所勤務を経て社労士事務所を開業し、21年目になる。
酒屋時代に土佐酒アドバイザー、唎酒師、ワインアドバイザー(JSAソムリエ)を取得し、「酒は楽しく健康的に」という理念の下打ち込んできた。プロフェッショナルタイプに当てはめると、懇親会の一次会、二次会担当の宴会社労士ということになりそうだ。
ここで考え方・見方を変えてみよう。私のキャリアは小売業の経営から始まった。現場で働くスタッフの声、労働時間の管理、繁忙期のシフト調整、現場で起きるトラブルなど、すべてが机上で学べない生きた労務の実践だった。そのとき培った「経営者目線」は今でもクライアントと向き合う際に非常に役立っている。「人を雇うことの責任」と「組織を支える人材管理」の大切さを身をもって感じたからだ。
その後、税理士事務所に勤務し、給与や年末調整、あらゆる税金の知識など数多くの実務を経験できた。なかでも経営者とのやり取りで、制度の知識に留まらず、難しくなりがちな事柄をいかに伝えるか、この経営者は何を望んでいるだろうかといった「分かりやすく伝える力」と「先回りの提案力」が求められることを知った。
まったく異なる仕事で培った「現場目線」と「制度知識」。この2つを融合させることで、私は「現場を知る社労士」としての立ち位置を築いている。たとえば、労務トラブルに対しては法律的な回答だけでなく、職場に応じてバランス良くサポートする。現実的な改善案を提示できるのは、過去のキャリアがあるからこそだ。キャリアは信頼を築き、説得力のある仕事ができる源となる。今一度、自分が歩んできたキャリアを振り返り、自身の強みを見つめ直してみよう。
社会保険労務士法人 南社会保険労務士事務所 南 宏道【高知】
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