【ひのみやぐら】高齢者の熱中症に注意を

2024.04.26 【ひのみやぐら】
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 5月となれば夏に向かって暑さが厳しくなる。厚生労働省では5月1日~9月30日までを「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」に設定しており、職場での熱中症予防を図るよう、災害防止団体や事業場に呼びかけている。昨年の死亡災害発生状況をみると、死亡者28人のうち、60歳代以上は10人。50歳代以上も含めると17人と半数以上を占めており、高年齢労働者に注意が必要なのが分かる(令和6年1月11日速報値)。

 高年齢労働者の安全と健康確保を示した「エイジフレンドリーガイドライン」では、暑熱作業への対応を指示をしている。年齢とともに身体が暑熱環境に対処しにくくなることを考慮して、脱水症状を生じさせないよう意識的な水分補給を求めた。

 高齢者は若い人に比べ、熱に対して順応しにくくなる。例えば発汗は体温調節機能として重要だが、年齢を重ねると機能は低下する。このため、高齢者は身体に熱がこもりやすく、若年者よりも循環器系への負担が大きくなるという。もともと高齢者は体内の水分量が若年者よりも少ない。汗の量も少ないために、熱を身体から放出しにくくなる。

 のどの渇きを感じる機能を「口渇中枢」と呼ぶ。加齢により、実際に水分が必要であっても、喉の渇きが感じにくくなるのだ。口渇中枢の機能低下は脱水を引き起こす原因になり、熱中症のリスクを高める。

 暑さへの感覚も鈍くなっていく。衣服による暑さ調整やエアコンなどの利用を控えてしまい症状が悪化していく要因となる。

 高齢者と若年者の熱中症対策で大きく変わることはないが、とくにこまめな水分・塩分補給に気を配る必要がある。本人がのどの渇きに自覚がなくとも、管理監督者は水などの摂取を忘れることなく促すようにしたい。また、同ガイドラインでは、涼しい休憩場所の設置、通気性のよい服装、身体に装着し体調の変化を知ることのできるウェアラブルデバイスの利用も有効と指示している。

 とかく、職人気質で真面目な人は無理をしがちだ。コミュニケーションをとるなかで、体調変化の早期発見に気づき、未然に熱中症を防ぎたい。

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2024年5月1日第2449号 掲載
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