【主張】内定取消しには高額な慰謝料で

2013.11.04 【社説】
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 厚生労働省は、平成24年新規学卒者内定取消し状況を発表し、2社の社名を公表した(本紙10月7日号1面)。今年3月に大学、高校を卒業し4月に就職予定だった者のうち、内定を取り消されたのは76人だった。学業重視とか留学機会の確保などの理由によって、安倍政権と経済団体は、求職学生の活動を抑制する方向を強めており、内定取消しの学生に与えるショック度合いは、増すばかり。

 1年先の経営状況も読めず内定決定をする会社の行動意識が理解できない。今、現在なら新卒者を雇える状況にあるから、「人材を囲い込もう」という軽い気持ちで内定通知が出されたとすれば、これほど罪深いことはなかろう。

 学生としては、企業訪問の苦しみから解放され、社会生活の第1歩を踏む足を取られたのだから、再度求職活動に挑戦する気力を回復するまでに相当の時間がかかろう。それより、他人に先駆けて就職先が決まり、ホッと一息入れているうちに足下をすくわれて、逆の対場に立たされたのだから、屈辱的扱いである。幸いこのうち60人が8月までに新たな就職先を確保したというが、これがブラック企業でないことを祈るばかり。

 平成2年、採用内定取消しが頻発したため、厚労省は職業安定法施行規則を改正し、「取消しまたは撤回」する企業はハローワークに事前に通知することを義務付け、同20年のリーマン・ショックによる頻発に際しては、ハローワークによる一元的把握と迅速な対応を図るため、内定取消しを行おうとする事業主は、職業安定局長が定める様式により通知すべきものとし、その内容が倒産などに該当しない場合は、公表することとした。その結果、2社が公表されたわけだが、企業には採用の自由があり、事前に差し止めることは不可能。かくして不届きというか、軽い気持ちで囲い込む輩が絶えない。

 内定取消しに伴う「慰謝料ないし損害賠償」は卒業時に接近するほど高いのがふつう。被害者には、年収分くらい補償させるような強い気持ちで交渉に臨んでほしい。弁護士などの代理人にも強力なバックアップを期待する。

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平成25年11月4日第2943号2面 掲載

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