【主張】最賃改定と賃上げ交渉への影響

2013.10.28 【社説】
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 地域別最低賃金は、中央最低賃金審議会の答申前に政府が閣議決定に基づき、引上げの根回しを行った結果、公益委員が示した改定目安額は、Aランク19円、Bランク12円、CおよびDランク10円と経営側にとって悲観的なものとなった。

 これを受けた地方最賃審議会に使用者側は、戦々恐々で臨んだと思われるが、健闘むなしく悲惨なものとなった。目安額どおりとなったのは、Aランクの東京・神奈川・大阪の3都府県、Bランクの兵庫県のみ。残りの道府県は目安額を上回っている。生活保護基準との乖離額は、6都道府県のうち北海道だけが残された。北海道とて目安額10円を大きく上回る15円アップとなり、使用者側の完敗で終わった。目安額どおりのアップに猛反対した東京都使用者側委員の主張はむなしく、公益委員全員と労働側委員の一部賛成によって、今年度の乖離額13円を大きく上回る19円の改定額が決定した。労働側委員の反対は、もっと上げろということだから、当然、使用者側とは異なる。

 審議会に臨んだ使用者側委員は、①全国一の東京の869円と最低地域の664円との格差は200円以上となる②都内でも23区内と周辺地域(三多摩、島嶼)とでは、経済環境が大きく異なることを認識すべき③現行850円はキリの良い金額であり、時給850円が非常に多いこともあり、最賃近くで雇用している企業にとって労務費増に直結することを大いに危惧する。中小零細企業の経営に及ぼす影響を最大限に考慮してほしい――などを訴えたが、政府をバックにした公益・労働側委員は聞く耳を持たなかったようだ。

 となると、現政権が消費税増税などにからんで、経営側団体に対し、盛んに「賃上げ環境の整備」を訴えていることにも影響を与えることが懸念される。労使自治による賃上げ交渉にモロに響くとは考えられないが、さりとて、この結果を完全に無視することもできまい。収益分配に当たっては、将来にわたって尾を引く賃上げより、賞与によって行うという単年度決算方式であることの説明が必要だ。

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平成25年10月28日第2942号2面 掲載

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