【主張】35歳超フリーターを憂慮

2017.04.17 【社説】

 フリーター問題への社会的注目度が一時期と比較して低下しているが、決して事態は収束していない。アルバイト・パートを中心とする若者のフリーター数は、未だに約230万人に上り、雇用政策の重要課題となっている。

 とくに最近では、35歳を超えたフリーター数が高止まりしており、経済・社会全体の先行きを脅かしかねない。企業は、通年採用を拡大するなど規模にかかわらずフリーターの正社員雇用に意識的に取り組むべきである。

 34歳以下のフリーターの数は、昨年の段階で約167万人となり、現在の定義で調査を開始した平成14年以来最低となったが、注目すべきなのは35歳以上の実態である。その数は約60万人で高止まり状態にある。この世代は、いわゆる「就職氷河期」に就職時期を迎えた者で、必ずしも自己責任ばかりを問うことはできない。

 雇用政策上軽視できないことから、厚生労働省も積極的な支援対策を打ち続けている。今年度についても新たに「就職氷河期世代等正社員就職実現プラン」を実行に移す予定である。「長期不安定雇用者」を正社員として雇い入れた企業に助成金を支給するほか、大都市圏においてフリーターを対象とする経験交流会やキャリアコンサルティングなど実施して正社員雇用へ意欲喚起を図る意向だ。

 ハローワークに来所しないフリーターに対しては、夜間、土日・祝日を問わず電話やメールによる相談を実施し、来所に向け背中を押し続けている。

 フリーター問題の解消は、雇用情勢が著しく好転している今がチャンスである。正社員の有効求人倍率は限りなく1倍に近付いている。たとえフリーターであっても意欲ある若者については、積極的に採用選考対象としていくべきである。

 そのためにも企業は、春季一括採用に拘泥することなく、通年採用、秋季採用を導入・拡大し、多様な人材の獲得に力を入れてもらいたい。

 不運にも就職氷河期に当たってしまった世代をこのまま置き去りにした社会は健全とはいえない。

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掲載 : 労働新聞 平成29年4月17日第3109号2面

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