【ひのみやぐら】建設業の挟まれ防止対策を

2021.04.12 【ひのみやぐら】
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 今号、特集1では向井建設土木統括部の納得感を意識した安全衛生活動を紹介している。同社土木統括部で課題の一つに挙がっていたのは、挟まれ・巻き込まれ災害だった。

 業種別に最も多い災害の型を見ると、製造業は挟まれ・巻き込まれ、建設業は墜落・転落災害となっている。一見、挟まれ・巻き込まれに注意しなければならないのは製造業のイメージが強いが、建設業でも特に注意が必要な災害だ。令和元年の死亡災害発生状況では、建設業の挟まれ・巻き込まれ災害は、飛来・落下に次いで6番目に多くなっている。死亡者は16人で、警戒が必要な数字であるのは間違いないところだろう。

 建設現場を見渡すと、改めてさまざまな危険源があるのが分かる。重篤な災害につながりやすいケースでいえば、バックホウなど車両系建設機械やダンプトラックに挟まれる災害をよく耳にする。

 クレーンに起因する災害も少なくない。玉掛者がワイヤとつり荷の間に指を入れてしまったり、荷が振れて近くの製品や設備などに挟まることがある。さらに荷降ろし作業のときには、地面と荷の間に手を挟んでしまうことがある。

 製造業で災害が多い原因として回転体やコンベヤーなどが工場内に設置されていることが挙げられるが、建設現場でもこのような機械設備が少なくない。コンベヤーを使用する作業があるのはもちろん、コンクリートミキサーには内部に撹拌用の羽が装着されている。清掃などで、うっかり電源を切り忘れて回ってしまった羽に指や手を挟まれる災害も報告されている。

 向井建設土木統括部では、重篤となる災害は起きていないものの、台車で運搬中に足を挟まれる、2人で荷を降ろすとき呼吸が合わずに手が挟まれるなどちょっとした不注意が原因の災害が起きている。

 建設業での挟まれ・巻き込まれ災害は、あらゆる作業で発生するため、画一的な対策が難しい。ケースごとに対応するのはもちろんだが、作業計画の作成や接触防止、立入禁止措置といった基本事項の順守が重要になる。もっといえば、現場の核となる管理体制を強固にすることが必要だろう。

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2021年4月15日第2376号 掲載

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