ハラスメント防止に注力/大阪府社会保険労務士会 大阪北支部 支部長 桑野 里美

2018.09.02 【社労士プラザ】

大阪府社会保険労務士会
大阪北支部 支部長
桑野 里美 氏

 社会保険労務士を開業して22年が過ぎた。

 子育て真っ最中に受験、子どもの寝かし付けを夫に引き受けてもらいながら勉強時間を捻出した。運良く合格できたが、すぐに業として成り立つはずはなかった。飛び込み営業をしては「保険は間に合っています」などとつれなく言われ、次の訪問先までの足取りは重く、沈んだ気持ちで帰宅する日が続いた。

 それでも支部の研修、行事などに積極的に参加することで諸先輩に様ざまなことを教わり、「自分の強みをみつけるように、みつからなければ、興味のあることをしっかり学んでおくように」とアドバイスを受けた。

 私は「年金のプロ」をめざし「年金コンサルタント」の資格を取得した。おかげで金融機関で年金相談を受けたり、金融機関の年金セミナーを引き受けることが増えた。

 人前で話す機会が増えると、そういったことが苦手な人から「どうしたら緊張せずに話せるのか」と問われた。自分は「元教員」、人前で話すことを生業にしてきたし、小学生相手に興味を逸らさずに集中して聞いてもらうためにはどうすれば良いか工夫してきた。決められた時間枠でプログラムを作成することも苦手ではないことに改めて気付いた。

 この強みを活かせるのは「講師」ではないかと思い始めた矢先、厚生労働省の関係団体でセミナー講師のチャンスに巡り会えた。企業にハラスメント防止を啓発する「研修講師」の仕事は依頼が月に15回を超えることもあった。思いがけず自分のハラスメント被害経験が活かせ、「ハラスメント防止」のコンサルティングは、もはや使命感に変わっている。

 折しも、残念ながら様ざまなハラスメント事案が発生し、世間を賑わしている。啓発を進めてきた立場としては「何十年も前から何も変わっていない」と焦燥感を感じてしまったが、やはりハラスメント防止は「人権」の視点と、「労務管理」の視点から啓発を進めることが必要である。私たち社会保険労務士が防止啓発を行うことがふさわしい分野ではないかと思っている。ただし、頭でっかちなハラスメント防止啓発にならないようにしたいと思う。

 「ハラスメントがいけないことは分かるけれど、ではどう指導すれば良いのか分からない」「冗談さえもハラスメントと訴えられたら、と思うと会話に困る」、現場のそんな声に寄り添ったハラスメント防止のコンサルティングをしていきたいと思う。

大阪府社会保険労務士会 大阪北支部 支部長 桑野 里美【大阪】

【公式webサイトはこちら】
http://sr-osakakita.jp/

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掲載 : 労働新聞 平成30年9月3日第3175号10面

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