【ひのみやぐら】トップの決意が過重労働防ぐ

2015.11.01 【社説】

 昨年施行された「過労死等防止対策推進法」により11月は「過労死等防止啓発月間」となった。厚生労働省では「過重労働解消キャンペーン」として電話相談などの取組みを行うこととしている。

 長時間労働の原因はさまざまだ。業務量の増加、常に納期に追われる、などあげられる。一方で、残業代を当てにする、納得いくまで仕事をする、皆が帰らないと帰れない、など職場風土や個人に起因する問題も少なくない。社風の問題は厄介だ。変えていくのは、並大抵のことではないが、それを実践した人がいる。元オリンパスソフトウェアテクノロジー社長の天野常彦さんだ。「メンタルヘルスサポートが会社を変えた!オリンパスソフトの奇跡」(創元社刊)と題する著書に企業改革の手法が詳しく解説されている。天野さんが行った対策はよいモデルになると思うので紹介したい。

 同社では、メンタル不調の休職者が絶えなかった。背景のひとつには「長時間働く人が偉い」といった価値観があったという。こうした職場風土を一掃するため、業務負荷を測定し効率化を図った。まず、個人の残業時間を集計し業務の偏りがないか測る。スキル不足による残業の場合、増員して個人の負荷を軽減し、教育によってスキルアップする。また、期初と期末でマネージャーとメンバーが面談。能力の特徴を見ながら業務のボリュームを測りつつ、負荷の判定をしていく。一人ひとりにキメ細かい対応をすることで、ムダな残業を減らした。天野さんは社長就任3年半で130以上もの施策を実施。休職者は激減し、そのうえ会社の業績も向上したという。

 トップの「本気」が過重労働を防いだ好事例だ。キャンペーン期間中は、トップが決意を持って推進を。

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掲載 : 安全スタッフ 平成27年11月1日第2245号

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