労働組合にエール送る/法円坂労務支援センター 鈴木 威信

2014.10.20 【社労士プラザ】

法円坂労務支援センター
鈴木 威信 氏

 私は、企業には労働組合があってほしいと思っている。長寿の企業経営という視点からの想いである。

 使用者と労働者の利益は完全には一致しないし、対立することもしばしばである。しかしながら、両者は企業経営にとって、どちらもなくてはならないものであり、協力もしなければならない。仮にどちらか一方が圧倒的な力を持ち、他方を支配すると、遅かれ早かれ経営は行き詰まる。使用者の強力な力に対抗するために、個々の力の弱い労働者は団結するのである。使用者と労働者が緊張関係と協力関係を持つからこそ、お互いが努力して、その結果、企業の健全な発展につながるのではないか。私はそう思う。

 まず、企業経営にとっての労働組合のメリットを考えてみたい。使用者の暴走を抑止し、企業経営を存続させるという効果があると思う。そして、研修や人間関係の構築といった労働者の育成という側面でも重要な役割を担う。また、使用者にとっては、交渉の窓口を一本化できるメリットがあり、第三者(行政や外部の労働組合等)の介入を防ぐことができる。労働者にとっても労働条件の改善や自分たちの要求を団結して訴え、法律以上の労働条件を勝ち取ることができるというメリットがある。

 ところが、労働組合の推定組織率は年々下がり続け、個別労働紛争が増加している。使用者にとっては、個別に時間と労力が割かれることになるし、労働者にとっては法律以上の労働条件を勝ち取ることは難しい。なぜ、労働組合に加入しないのだろうか。

 それは、やはり労働組合に魅力がないからだろう。年功序列から成果重視に変わり、職種も複雑化し、生活の価値観や要求が多様化する社会に、多くの労働組合が対応しきれていないのではないだろうか。昔は、労働組合は、労働者の生活の場でもあった。労働条件の交渉はもちろんのこと、社会のルールを学ぶ場、男女の出会いの場、サークル活動の場等である。

 現場でがんばっている労働組合のリーダーは、人間関係が希薄化しているいまだからこそ、もう一度労働組合運動を盛り上げて欲しい。そんな想いで、社労士として労働組合にエールを送りたい。

法円坂労務支援センター(法円坂法律事務所) 鈴木 威信【大阪】

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掲載 : 労働新聞 平成26年10月20日第2989号10面

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