【今週の労務書】『フリーランスの働き方と法 第2版』
2025.09.06
【書評】
“個別”から“全体”問う
2023年11月に刊行された書籍の第2版。特徴的なのは、フリーランス法の概要とともに、フリーランス保護をめぐる個別のテーマについて、今後のあり方まで提言している点だろう。
個別のテーマとして取り上げているのは、フリーランスの法的地位、契約上の問題、経済法との関係、安全衛生政策など。安全衛生政策は5月の労働安全衛生法の改正を踏まえた内容となっており、読み応え十分だ。改正後もなお残る課題としては、偽装請負の発覚をおそれて特定注文者等が死傷病報告を忌諱する可能性を指摘。労働者性が認められる個人事業者の災害に際し、特定注文者等が迅速な報告を怠った場合、「労災かくし」として問う方針を明確にする必要があると訴えた。
(鎌田 耕一・長谷川 聡 編、日本法令 刊、税込5940円、TEL:03-6858-6967)
令和7年9月8日第3512号16面 掲載