【書方箋 この本、効キマス スペシャルゲスト選集(2025年上半期②)】『松浦武四郎 入門:幕末の探検家』『時間・自己・幻想――東洋哲学と新実在論の出会い』ほか

2025.08.12 【書評】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

労働新聞で好評連載中の書評欄『書方箋――この本、効キマス』から、2025年4~6月に公開したスペシャルゲストのみなさまにご執筆いただいたコラムをまとめてご紹介します。

『忍者の掟』 川上 仁一 著/山田 雄司(三重大学教授)
 本書は、現代に忍術を伝える甲賀伴党二十一代宗師家・川上仁一氏による自身の体験と、師から伝えられた「忍術」について解き明かした書である。私が初めて川上氏に会ったのは、2012年に三重大学で忍者研究を開始したことに合わせて、『結Yui』という大学の雑誌の企画で対談したときだった。

川上 仁一 著、角川新書 刊、税込990円


『松浦武四郎 入門:幕末の探検家』 山本 命 著/吉田 修(築地双六館館長)
松浦武四郎は、16歳で故郷伊勢を離れ、日本を隈なく歩き、唐・天竺まで渡ろうと志を立てた。その後、ロシアの脅威を知るに至り、蝦夷島に渡り、原野に分け入り、樺太にまで足跡を残し、その克明な記録を世に紹介した。北海道の名付け親としても知られている。

山本 命 著、月兎舎 刊、税込1320円


『時間・自己・幻想――東洋哲学と新実在論の出会い』 マルクス・ガブリエル 著/遠藤 ヒツジ(詩人・作家)
 「哲学界のロックスター」という異名をもち、『なぜ世界は存在しないのか』がベストセラーとなった哲学者、マルクス・ガブリエルによる新著が『時間・自己・幻想――東洋哲学と新実在論の出会い』である。本書はインタビューの書き起こしを通じて、マルクスが提唱するテーゼと東洋哲学の密接な点を紐解いている。会話調で進むため、最先端の哲学にも比較的易しく触れられる。

マルクス・ガブリエル 著、月谷 真紀 訳、PHP新書 刊、税込1320円


『木戸芸者らん探偵帳』 仲野ワタリ 著/神楽坂 淳(時代小説家)
 本書は時代小説には珍しい「木戸芸者もの」である。木戸芸者は、一般にイメージされる芸者ではない。現代で言えば「声優」である。芝居小屋の木戸で、役者の声真似をしながら芝居の名シーンを再現して、呼込みをする仕事だ。さまざまな声色を使い分けるのが特徴の仕事である。

仲野ワタリ 著、光文社文庫 刊、税込814円

関連キーワード:
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。