柔軟な制度が社会支える/ワーク・ライフ・パートナー社労士事務所 代表 平井 有希子

ワーク・ライフ・パートナー社労士事務所 代表 平井 有希子 氏
現在、私たちの社会は「働き方」を見直す重要な節目を迎えている。なかでもワーク・ライフ・バランスの推進は、企業の持続的な発展と、働く人一人ひとりの人生の豊かさを両立させるために欠かせない取組みである。
私は社会保険労務士として、現場で制度設計や運用の支援を行うなかで、働く人が無理なく力を発揮できる環境づくりの重要性を日々実感している。
たとえば、短時間勤務や柔軟な働き方の選択肢があれば、子育てや介護をしながらでも安心して働き続けることができる。
このような取組みは、結果として、会社全体の活力や業績向上にもつながっていく。実際に、テレワークやフレックスタイム制を導入したケースで求人への応募が増加しており、その効果を強く認識した。今後も、企業それぞれの事情に寄り添いながら、実践的なワーク・ライフ・バランス施策を提案・推進していきたい。
また、一人ひとりが「働くこと」について考えることは、現役世代に限らず、将来社会に出ていく子どもたちへの教育としても非常に重要である。そのため、社会貢献活動の一環として、有志のメンバーとともに、学校への「ワークルール出前授業」に力を注いでいる。働くうえで知っておくべきルールや権利を、若い世代に正しく伝えることは、将来の労働トラブルを防ぎ、安心して働ける社会づくりに寄与するものと確信している。
出前授業では、「働くってどういうこと?」、「アルバイトを始める際に注意すべき点は何か」など、とくに身近なテーマを取り上げながら、マンガや寸劇で、具体例を交えて説明している。
一方通行の講義だけでなく、たとえば、「会社を自由に作るとしたら、どんな会社で働きたい?」というテーマでディスカッションを行っている。すると、生徒たちから斬新なアイデアや的確な意見が出て、頼もしさを感じることも少なくない。生徒たちが自らの将来を前向きに考えられるよう、実社会につながる知識を届けることにやりがいを感じている。
企業の現場と学校の現場の両方にかかわることで強く感じるのは、「主体性」、「正しい知識」と「柔軟な制度」がこれからの社会を支えていくということである。
ワーク・ライフ・バランス施策の推進と次世代への教育という2つの取組みを通じて、より豊かで安心できる未来の実現に貢献していきたい。
ワーク・ライフ・パートナー社労士事務所 代表 平井 有希子【東京】
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