デジタル化に挑戦 効率的な業務遂行へ/かさい社会保険労務士事務所 葛西 一栄

2023.07.23 【社労士プラザ】
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かさい社会保険労務士事務所 葛西 一栄 氏

 私は事務所の二代目としてこの業界に入って早30年、父親の事務所に入った当時はまだ社労士の存在を知る人は限られていたし、業務自体も、従業員とのトラブルなどの相談は今ほどなかった。

 そのため、入退社などの提出代行や給与計算業務に毎日追われる日々だった。また、一般にパソコンは普及していなかったので、ほとんどの書類は手書きで作成し、給与計算はもちろん、電卓をたたいて複写式の給与明細書兼賃金台帳に手書きしていた。30人くらいの企業の給与計算であっても、ものすごい労力を使っていたことを今でも覚えている。その分、1字も間違わずに給与計算を終えたときの達成感はものすごくあった。

 顧問先の企業数がそれなりにあったため、情報管理については、パソコンの普及後もなかなか紙管理からデジタル化に移行できず、電子申請を始める最近まで紙台帳で管理していた。

 そんな状況でマイナンバー法やさまざまな法改正の施行により社労士業務がどんどん複雑化していったことで、うちの事務所は仕事をこなせなくなってきた。

 業務効率が非常に悪かったことから、スタッフの時間外労働が多くなり、「このままではうちの事務所がブラックになってしまう」と思い、そこから一気にデジタル化を推進していった。

 お預かりしている個人情報を守るためのデジタル資産管理のシステムや、RPA、電子給与明細、テレワークシステム、ペーパーレスFAXなど、今は電子請求書の導入と就業規則のクラウド化を進めており、良いものは顧問先にも勧めている。

 デジタル化を進めていくと、私たちの業務はデジタル化を進めやすい業界であることがよく分かったし、場所を選ばず働くことが可能な業界だとも思う。

 システムの導入で以前ほどの時間外労働はなくなったが、それでも働き方改革の需要増で忙しい日々が続いている。

 世の中が変化するなかで社労士の需要も高まり、30年前とは違い、社労士は企業経営に不可欠な存在になってきていると思う。

 これからも法改正、労働環境の変化や労働トラブルの増加を受け、社労士に求められる役割はますます複雑化することが予想されるため、専門知識とスキルの幅も広げていかなければならない。

 それらに対応していくためにも、今後も好奇心を持って業務のデジタル化、効率化に取り組み、顧問先と事務所双方の「働きがい改革」に取り組んでいきたいと思う。

かさい社会保険労務士事務所 葛西 一栄【青森】

【公式webサイトはこちら】
https://www.kasai-sharoshi.com/

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令和5年7月24日第3410号10面 掲載

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