分かりやすく伝える/きむらオフィス 所長 木村 政美

2021.11.28 【社労士プラザ】
  • TL
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

きむらオフィス 所長
木村 政美 氏

 私は2004年に社労士・行政書士・ファイナンシャルプランナー事務所を開業したが、それまで社労士業務の経験はなく顧客の当てもない、文字どおり「ないないづくし」の状態からのスタートだった。

 顧客の獲得方法が分からないので友人や知人に開業案内を郵送し、所属会の研修会や行事に積極的に参加して人脈を広げた。その甲斐があってか、開業2年目から書類作成などの仕事が徐々に入り始めたのと同時に、支部役員をされていた先生からの勧めで、社会保険事務所(現在の日本年金機構)で年金相談員として月8日ほど働くことになった。

 そこでの仕事は来訪者の申請書類や年金相談を受けることであるが、その時に気になったのは「自分の年金について以前説明を受けたが、意味がサッパリ分からない」といって、同じ内容の話を何度も聞きに来る方が結構いたことである。

 年金は老後資金の根幹となるものなので国民の関心が高いのは当然だが、複雑な年金制度という高い壁があるせいで、その内容を理解するのはなかなか難しいし、また理解できないから余計に不安になり、何回も説明を求めて足を運ぶのだろう。

 年金相談員としての自分の役割は、一通りの年金知識を持ち、来訪者の申請書類を受け付けるだけではなく、それに加えて年金制度を分かりやすく説明し理解してもらえるように努めることだと強く感じた。それで私は、できる限り年金の仕組みや「加給年金」「振替加算」などの年金用語の意味を平易な言葉で説明できるように表現方法を考え、実践した。約10年携わった年金相談員の仕事のなかで、その技術は随分鍛えられたと思う。

 現在は当事務所の業務として企業への労務管理アドバイスをはじめ、研修講師や執筆活動などを行っている。そのなかで求められるのは、「法律の話や労務管理の手法などを、企業の社長や労務管理の担当者、研修の受講者、記事の読み手にとって分かりやすい言語で説明し、理解できるようにしてほしい」ということであり、相手は違うが年金相談員の時と同じである。逆に有益な情報提供や提案をしても相手に理解されなければ、その後進展が望めない。

 「なぜこの法律遵守が必要なのか」、「なぜこの労務管理手法を使うのか」が理解されることによって、はじめて社労士のアドバイスを聞き入れるのである。相手に対して分かりやすく伝えることは自然にできるものではなく、ひとつの技術であり、これからも精進して磨いていこうと思う。

きむらオフィス 所長 木村 政美【千葉】

【webサイトはこちら】
https://kimura-office.p-kit.com

関連キーワード:
令和3年12月6日第3331号10面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ


ご利用いただけません。