【主張】高年法改正いたしかたがないが

2012.02.13 【社説】
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 昨年暮れ、労働政策審議会は、「今後の高年齢者雇用対策について」小宮山厚労相に建議した(本紙1月23日号1面参照)。平成18年の改正高年法は、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられることを踏まえ、60歳定年退職後から年金の受給開始時期までの経済的空白期間を解消する方策として、当該期間に対し、雇用機会の提供義務を求めたもの。同法第9条第1項では雇用確保措置として、①定年年齢の引上げ②継続雇用制度の導入③定年制の廃止、という3方法のいずれかを講ずることを義務化したが、31人以上規模の企業を対象に、昨年6月1日現在の雇用確保措置実施状況調査によると、②が圧倒的に多く82.6%を占めたが、これは改正法当初から変わっていない。

 ただし、希望者全員を65歳まで雇用する企業は、43.2%だった。とはいえ、半数近くの企業が希望者全員を65歳以上まで雇用しているのは、改めて驚かされる結果である。問題は、継続雇用措置の導入に際し、基準の設定を認めたため、段階的に引き上げる年金受給開始年齢が天井に達すると、無年金・無収入となる方が生じること。

 65歳まで全員を雇用し、こうした方々を救済することを企業に求めるのは、ある意味当然だろう。しかし、建議でも使用者側委員の①対象者基準は労使自治の観点から妥当なものであり、基準廃止により若年者雇用に多大な影響を与える②現行制度維持が困難な場合、新しい基準を認めるべきとする意見を紹介しており、審議会でもそのへんの負担増は憂慮し、「対象者基準を利用できる経過措置を認めることが適当である」とまっとうな結論に至っている。こうした考えが生かされた改正高年法案が、国会に上程されるのなら、使用者もある程度は納得せざるを得ない状況となろう。

 生産部門の匠のように、費用対効果を上げる人材ならともかく、年功昇進した管理職の大半は企業負担となる恐れが高い。かといって冷え切った鉄を打ち直すのは至難の業だ。予測された事態とはいえ、頭の痛い問題である。

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平成24年2月13日第2860号2面 掲載

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