【主張】製造業1千万人割れをどう思う

2013.03.04 【社説】
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 総務省が発表した2012年12月の労働力調査によると、51年振りに製造業の就業者数が1000万人を割り込んだことで、一部のマスコミは大騒ぎしている。就業者総数(非農林業)6037万人のうち998万人が製造業。わずか2万人割り込んだだけだが、「労働力人口の減少に加え、円高対応による生産拠点の海外進出などで日本の産業構造が大きく変化している動きを反映した」と早くから想定されていたことが現実化したため、ニュースになった。

 対前年増減率をみると、軒並み減少しており、13産業のうち増加したのは、医療・福祉(6.6%)、金融業・保険業(4.1%)、学術研究、専門・技術サービス業(1.9%)だけ。もちろん就業者数は、卸売業、小売業の1035万人に次いで多いから、単純には比較できない。減少率で最も多いのは運輸業、郵便業の7.7%減。製造業は3番目(3.5%減)である。

 モノづくり大国としては、土台が揺らいだ観があるのは確かだが、団塊の世代が離職した産業では、製造業は断トツだろうから、ごく自然な流れと達観するほかない。

 世界はサービス経済化が進み、日本も例外ではないが、米国の足下にも及ばない。その米国は輸入大国でもあるがIT産業や航空機を含む防衛産業などの製造業、エネルギー関連産業、小麦を中心とした農業、牧畜業等々第一次から第三次まで、くしゃみひとつで世界経済を混乱に陥れる底力を持つ。

 翻ってわが日本は、資源・国土に恵まれずハンディが大きいなか金型技術・工作機械などで最先端に位置し、メイドインジャパンの部品なくしては、製造できない、といわしめるほどの存在感を保っているではないか。余談だが、1000万人割れを嘆かれる方々には、TBS系列で日曜夕方6時半からの「夢の扉」は必見の番組といえそう。先端技術に取り組む人々を毎週紹介しているが、もちろん、一つひとつが大げさにいえば想像を超えるような技術開発である。その昔、舶来品はイコール高級品だったが、今日、輸入製品の多くを日本人は信じていない。健全である。

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平成25年3月4日第2911号2面 掲載

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