『書方箋 この本、効キマス』の労働関連コラム

2025.07.03 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第115回 『「モディ化」するインド』 湊 一樹 著/濱口 桂一郎 NEW

中国並みの情報統制進む  インドといえば、我われ日本人には偉大なガンディーが作った国…というイメージが強い。「ガンディーが助走をつけて殴るレベル」というネットスラングも、非暴力主義でインドの独立を果たしたガンディーの高潔さを前提としている。そのガンディーを暗殺した右翼結社の民族奉仕団(RSS)で頭角を現し、グジャラート州知事として「実績」……[続きを読む]

2025.06.26 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第114回 『我、演ず』 赤神 諒 著/大矢 博子

戦国生き抜く「負け上手」  人生も仕事も連戦連勝、であればさぞかし気持ちが良いだろうが、そんなことはあり得ない。頑張っても負けることはあるし、戦う前から負けが見えていることも少なくない。時には、敢えて負ける方が賢いというケースもある。  つまり問題は「負け方」なのだ。どんなふうに負けるかでその後が決まる。その鮮やかな負け方を見せてくれるの……[続きを読む]

2025.06.12 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第113回 『木戸芸者らん探偵帳』 仲野ワタリ 著/神楽坂 淳

声色を使い分けて捕物  本書は時代小説には珍しい「木戸芸者もの」である。木戸芸者は、一般にイメージされる芸者ではない。現代で言えば「声優」である。芝居小屋の木戸で、役者の声真似をしながら芝居の名シーンを再現して、呼込みをする仕事だ。さまざまな声色を使い分けるのが特徴の仕事である。  主人公のらんは、16歳でこの仕事に就く。花嫁修業か木戸芸……[続きを読む]

2025.05.29 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第112回 『時間・自己・幻想――東洋哲学と新実在論の出会い』 マルクス・ガブリエル 著/遠藤 ヒツジ

東西で“不変”の見方に差  「哲学界のロックスター」という異名をもち、『なぜ世界は存在しないのか』がベストセラーとなった哲学者、マルクス・ガブリエルによる新著が『時間・自己・幻想――東洋哲学と新実在論の出会い』である。本書はインタビューの書き起こしを通じて、マルクスが提唱するテーゼと東洋哲学の密接な点を紐解いている。会話調で進むため、最先……[続きを読む]

2025.05.22 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第111回 『転職の魔王様3.0』 額賀 澪 著/大矢 博子

優良企業で離職増のナゼ  GW明けに退職者急増というニュースがあった。しかも新卒者の割合が高いという。  会社を辞めたい理由は人それぞれだろうが、新卒の場合は概ね似た理由なのではないだろうか。簡単に言って「思っていたのと違う」だ。  このニュースを聞いたときに思い出したのが額賀澪『転職の魔王様』シリーズである。ドラマ化されたのでご存じの人……[続きを読む]

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