『書方箋 この本、効キマス』の労働関連コラム

2024.06.13 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第69回 『エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか』 田中 洋子 編著/鬼丸 朋子 NEW

処遇改善の方法示す  コロナ禍で対面形式を前提とした社会経済活動に大きな制限が課されるなかで、取引先や顧客と対面で接する人々や、ものづくり、物流の最前線で働く人々など、いわゆるエッセンシャルワーカーが本当に欠くことのできない存在であることが再認識された。にもかかわらず、「社会に不可欠な仕事の処遇はなぜ悪いのか?」(7頁)。この問いは極めて……[続きを読む]

2024.06.06 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第68回 『奥州狼狩奉行始末』 東 圭一 著/神楽坂 淳 NEW

狩りの奥に謀略も恋も  顕現である。  少し古風な言い方になるが、印象としてはそうだ。小説にはいろいろあって、人物を描いたり、物語を紡いだり、さまざまな作家がいる。  その中でも、空気や匂いといった、見えないものに雰囲気を出す作家はいる。この作品がまさにそうである。  ただの土くれを盛り上げて人の形にして命を吹き込むのが反魂だが、そういっ……[続きを読む]

2024.05.30 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第67回 『新しい封建制がやってくる』 ジョエル・コトキン 著/濱口 桂一郎

苦難を招く「聖なる教え」  今年の正月、NHKの『欲望の資本主義2024「ニッポンのカイシャと生産性の謎」』に出演した。ジョエル・コトキンというアメリカの学者が「新しい封建制がやってくる」と論じていたのが印象に残った。今年2月5日号で取り上げたマイケル・リンドの『新しい階級闘争』をさらに増幅した感じだったからだ。  読んでみてその印象はま……[続きを読む]

2024.05.23 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第66回 『ゆうびんの父』 門井 慶喜 著/大矢 博子

長い「自分探し」が奏功  宛名を書いて切手を貼って投函すれば、確実に相手に届く――郵便制度とは考えてみればとてつもないシステムだ。物流や宅配事業もそうだが、いくらネットが発達しても、物理的な「配達」がなければこの社会は成り立たない。  そのシステムを作り上げたのが、1円切手の肖像でも有名な前島密である。本書はその前島密の幼年時代から、郵便……[続きを読む]

2024.05.16 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第65回 『ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。』 廣末 登 著/コラアゲンはいごうまん

当たり前の継続が奇跡へ  僕は35年間、安定して地べたを這う無名芸人。かつての相方は蛍原徹。認知度面で、ホトちゃんに天文学的な差を付けられた僕が希望をもらった1冊が本書だった。  主人公は北九州・小倉を拠点とする暴力団の元専務理事・中本隆さん。反社に思うところあって30年の極道生活にピリオドを打つ。社会復帰を誓うも「元暴5年条項」により、……[続きを読む]

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