【ひのみやぐら】手軽に使える脚立こそ…

2016.07.25 【社説】
  • TL
  • シェア
  • ツイート
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 業種を問わず、多くの事業場で使用されている脚立。使ったことはないという人はいないと思われるほど、身近な道具だ。一方で、脚立が原因で起きる労働災害が後を絶たない。東京労働局がまとめた「脚立を利用した作業における労働災害発生状況の概要」(平成26年2月)によると、災害の休業見込み日数は1カ月以上のものが約64%に達し、重篤な災害につながりやすいことがうかがえる。

 主な災害事例をみると、「エアコン取付工事で、高さ1.2mの脚立に乗りエアコンの設置作業中、傾けるような体勢で設置していたところ、足を滑らせ脚立から落ちた(建設業)」「店内清掃時、脚立を使用し、棚の上のはたきかけをしているときに、脚立3段目の足元が壊れ墜落した(小売業)」などが紹介されており、比較的、低所から落ちたというケースが多い。
低い位置での作業は心理的にも、油断しやすい。落ちたとしても「たいしたことはない」と考えがちだ。こうした甘い認識が、災害の件数増加を後押ししているといっていいだろう。

 できるだけ脚立を使用しない作業やステップ付き踏み台など、より安全性の高い製品をお勧めしたいが、やはり脚立は安価で軽くて便利な物。使用時は十分注意することを肝に銘じたい。
今号特集Ⅰは、労働安全衛生総合研究所リスク管理研究センターの菅間敦研究員に、脚立での転倒災害防止のポイントを解説していただいた。菅間研究員は「人の身体は重力と床反力という2つの力の影響を絶えず受けながら、前後左右に揺らぎつつ立っている」としている。

 揺れる身体を保ちやすくするには、床反力の移動できる範囲を広くすることが重要で、踏さんの幅でしか動くことのできない脚立では、姿勢のバランスを崩しやすい。菅間研究員は、脚立は転落リスクの高い用具との認識を持ったうえで、作業することが大切という。
また、無理をしない作業手順の作成も必要と指摘している。
手軽に使えるからこそ、慎重な作業を心がけたい。

ジャンル:
平成28年8月1日第2263号 掲載

あわせて読みたい

ページトップ