「伝え方」工夫し組織改善/社会保険労務士法人筒井社労士事務所 筒井 洋貴

2015.06.22 【社労士プラザ】

社会保険労務士法人筒井社労士事務所
筒井 洋貴 氏

 人事労務を専門に扱う我われ社労士へ寄せられる相談は、多種多様である。就労形態の多様化や労働者の権利意識の高まり、インターネットの普及に伴う情報格差の消滅など、原因は様ざまであるが、労務トラブルは企業にとって時間的・金銭的な負担となるだけでなく、従業員の間に会社に対する不信感を生む要因ともなり、企業活動に非常に大きな支障をもたらす。

 企業が抱える労務リスクに対する問題解決の手法として、就業規則のメンテナンスに注力するなどの法的な視点によるアプローチは不可欠ではあるものの、トラブルを事前に予防するという観点からすると、組織内における日頃のコミュニケーションや、組織を率いる管理職などのリーダーシップ力の向上も重要な鍵を握っている。そこで、職場意識改善につながる人間関係論の観点からみた対応策について触れてみたい。

 現代のように複雑な時代では、リーダーだけが先を見通して全てを指示することは難しく、部下が主体的に考え、集団にとって好ましいことを自ら判断して行動することが欠かせない。よって、上司から部下に対してどのようにして「動機付ける」かが重要で、これこそ多くの管理職が抱える悩みの種といえるだろう。

 人間が自ら行動するよう促すために、伝える側が気を付けるべきこととして、4つのステップを踏むと良いといわれている。

 まずは適切な「情報」を相手に伝え、問題に対して自らが「選択」ができるよう提案する。そしてそこに上司の想いや企業全体の目標などの「信念」を伝えることができれば、人は自ら「行動」に移る、というプロセスである。この「情報」「選択」「信念」「行動」の4つを意識して上手に伝えることができれば、いわゆる命令型の指導方法に頼らずとも部下が自ら行動する組織になるばかりでなく、組織内の協力関係も築くことが可能となるだろう。

 一言でいえば「伝え方を変える」だけの話であるが、こういった些細な改善は医療の分野に例えるならば、特効性を期待する外科手術というよりも、漢方薬のようにじわじわと体質改善をしていくようなものかもしれない。私自身社労士として、この両面からのアプローチを駆使して社会に貢献できることに喜びを感じつつ業務を行っている。

社会保険労務士法人筒井社労士事務所 筒井 洋貴【福岡】

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掲載 : 労働新聞 平成27年6月22日第3022号10面

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