【主張】新たなメタボ基準の周知を急げ

2014.05.19 【主張】
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 08年4月1日からメタボリック検診が義務化された。対象は、40~74歳であって健康保険組合や国民健康保険などの医療保険加入者に対して実施される特定検診のことで、メタボリックシンドロームを抽出し、メタボと診断された場合、それぞれの状態に応じた保健指導を保健師や管理栄養士から受けるというもの。背景には糖尿病、高血圧、脂質異常など生活習慣病患者が急増し、これらによって国民医療費全体の3分の1を占めるに至ったことがある。

 厚生労働省によると、メタボの診断基準は、4つある。

 内臓脂肪=へそ回りの腹囲が、男性85センチ以上、女性90センチ以上。

 脂質異常=中性脂肪150㎎/dℓ以上、HDLコレステロール(善玉)40㎎/dℓ未満のいずれかまたは両方。

 高血圧=最高(収縮期)130㎜Hg以上、最低(拡張期)85㎜Hg以上のいずれかまたは両方。ただし、メタボリックシンドロームの診断基準は、最高140㎜Hg以上/最低90㎜Hg以上より低めの数値。

 高血糖=空腹時血糖110㎎/dℓ以上。

 この基準で当初からミソを付けられていたのは腹囲。米国の指針では、男性102センチ超、女性88センチ超。約160の国と地区の医師らで作る国際糖尿病連合の基準では、欧州で男性94センチ以上、女性80センチ以上、中国・南アジアでは、男性90センチ以上、女性80センチ以上。これらに比べ、わが国では腹囲85センチぐらいの男性は最も多く、健康人も基準にひっかかると猛反発されている。

 そして、今回日本人間ドック学会と健康保険連合会は、150万人の大集団を対象に検査を行った結果、さきのメタボ基準に沿って挙げると、中性脂肪198㎎/dℓ超、LDLコレステロール(悪玉)178㎎/dℓ超、血圧収縮期147㎎/Hg超、拡張期94㎜/Hg超、空腹時血糖114㎎/dℓ以上(いずれも男性)の新基準を明らかにした。

 反響は血圧でとくに大きかった。130以上で降圧剤を処方された者は、異常がないのに服用したことになる。新たな検査値が一刻も早く周知されることが望まれる。

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平成26年5月19日第2969号2面 掲載

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