【ひのみやぐら】まずは「機械停止」の徹底を

2022.10.12 【ひのみやぐら】
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 作業が順調に進んでいるときは労働災害が発生しにくいが、往々にして事故は問題が起きたときに生じやすいものだ。故障への対処や保守作業といった通常行っている作業と異なる対応を非定常作業というが、労働災害はこの場面で発生することが少なくない。

 非定常作業は日常的に反復・継続して行われていることが少ないいわばイレギュラーなケース。設備に詰まったゴミなどを、機械を停止しないまま取り除こうとして手を稼働部分にはさまれたり、止まっていたはずの機械が急に動き出して身体が巻き込まれる労働災害が後を絶たない。

 こうした事故が起きる背景には、時間的余裕がないことから機械を停止しないまま作業を続けてしまうのが原因のひとつ。また、このときに心理的な「焦り」が生じやすい。さらに作業が輻輳していると作業分担が明確ではなく連絡調整が十分ではない、などの要因が挙げられる。非定常作業で労働災害が発生しやすいことから厚生労働省は、「化学設備」「鉄鋼生産設備」「自動生産システム」についてガイドラインを策定し、関係団体に周知徹底を求めているところだ。

 非定常作業の安全対策は、ズームアップで紹介する長野・小諸労働基準監督署が呼びかけているように「停止・呼ぶ・待つ」をルール化して作業員に順守させるのが良策といえる。故障が生じたら、まずは機械の運転を停止。次いで、止まったことが周囲に分かるように表示をする。作業員は責任者を呼んで来るまで待ち、到着したら協議をするという対応を徹底したい。

 また、ガイドラインに示されているように安全衛生管理体制を明確にしておくことが重要だ。非定常作業の種類、危険度などに応じてあらかじめ責任者を定め、その責任範囲や業務分担を明確にするとともに、作業が複数の部門にわたる場合には、連絡会を設置するなど連絡調整の徹底を図ることが求められる。

 突発的な故障やトラブルは、想像を超えた範囲で起きる。日常からKY活動やリスクアセスメントなどを実施し、非定常作業となる場面になっても慌てることのないよう教育を充実させておきたい。

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2022年10月15日第2412号 掲載

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