- 2025.06.12 【書評】
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【書方箋 この本、効キマス】第113回 『木戸芸者らん探偵帳』 仲野ワタリ 著/神楽坂 淳
声色を使い分けて捕物 本書は時代小説には珍しい「木戸芸者もの」である。木戸芸者は、一般にイメージされる芸者ではない。現代で言えば「声優」である。芝居小屋の木戸で、役者の声真似をしながら芝居の名シーンを再現して、呼込みをする仕事だ。さまざまな声色を使い分けるのが特徴の仕事である。 主人公のらんは、16歳でこの仕事に就く。花嫁修業か木戸芸……[続きを読む]
