『ロシア』の労働関連コラム

2024.01.11 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第48回 『プーチン重要論説集』 ウラジーミル・プーチン著、山形 浩生訳/濱口 桂一郎

「侵攻の狙い」がここに  ロシアがウクライナへの侵略を開始してから早くも3年近くが経った。この間、国際政治学者や軍事評論家により膨大な解説が溢れたが、そもそもプーチンは何でこんなとんでもないことを始めたのか、という一番肝心のことについては、いまいち隔靴掻痒の感を免れない。弱い者いじめをする悪者だから、で片付けてしまってはいけないだろう。……[続きを読む]

2023.06.01 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第20回 『一八世紀の秘密外交史 ロシア専制の起源』 カール・マルクス 著/濱口 桂一郎

ウクライナ侵攻の理解へ  一昨年から毎月、書籍を紹介してきたが、今回の著者は多分一番有名な人だろう。そう、正真正銘あの髭もじゃのマルクスである。  ただし、全50巻を超える浩瀚なマルクス・エンゲルス全集にも収録されていない稀覯論文である。なぜ収録されていないのか? それは、レーニンやとりわけスターリンの逆鱗に触れる中身だからだ。そう、マル……[続きを読む]

2023.03.16 【書評】
【書方箋 この本、効キマス】第10回 『一九八四年』ジョージ・オーウェル 著/髙橋 秀実

全体主義は変わらずか  戦争はもうやめてください。  ロシアのプーチン大統領に私は訴えたい。砲撃もいい加減にしてくれ、と。ただでさえ私たち人類は自然災害や病気、さらには生活苦に苛まれているのに、なぜそこにミサイルを撃ち込むのか。一体、何をどうしたいのか、と問い詰めたいのだが、アメリカをはじめとする西側諸国も和平交渉ではなく、ウクライナに大……[続きを読む]

2022.09.08 【書評】
【本棚を探索】第33回『東西文明比較互鑑 秦・南北朝時代編』潘岳 著/濱口 桂一郎

習近平の歴史観が鮮明に  コロナ禍の収まらぬ現代世界で、プーチンのロシアがウクライナに侵攻し、習近平の中国はウイグルなど少数民族を抑圧し、香港を圧殺し、台湾を恫喝する。そうした帝国主義的行動の背後にある思想や歴史観には、隣国日本の住人として関心を持たざるを得ない。ウクライナ民族の存在を否定し、大ロシア民族の裏切り者とみなすプーチン史観はま……[続きを読む]

2022.03.24 【書評】
【本棚を探索】第11回『同志少女よ、敵を撃て』逢坂 冬馬 著/大矢 博子

ウクライナ侵攻を想起  昨年11月に刊行された逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』は、発売直後から大きな評判を呼んだ。新人のデビュー作であるにもかかわらず、刊行からわずか1カ月後には直木賞候補に選ばれるなど、昨年末から今年はじめにかけて出版界の台風の目であったことは間違いない。  それがここに来て再び注目を集めている。なぜか。物語のテーマが、……[続きを読む]

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。