ヒトの生産性向上が課題/社会保険労務士江尻事務所 江尻 育弘

2014.07.14 【社労士プラザ】

社会保険労務士江尻事務所
江尻 育弘 氏

 平成10年に社労士事務所勤めの経験がないまま独立した。

 開業当初から分からないことだらけで、いろいろと苦労した。しかし、良いこともあった。社労士の仕事に対する固定観念がなく、当時としては珍しく手続きではなく相談業務メーンの事務所を経営することになった。また、地方の事務所で特化は難しいといわれながらも、介護をはじめとする福祉関係の事業所を選択し、経営資源を集中させたことが良かった。なかでも社会福祉法人にはしっかりとした事務機能があり、手続きではなく相談業務やコンサルティングの需要があった。そんな背景から、今では顧客の80%以上が社会福祉法人の事業所である。

 いつからか労務管理を顧客に提供する手前、自分の職場の労務管理に疎いようではダメだと思うようになった。現在、スタッフの労働環境は、定時上がりの残業なし。年休の取得率はほぼ100%である。しかし、ここに来るまでには本当に苦労した。

 ある日外回りから帰ってくると、入社したばかりのスタッフが辞めると言う。理由を聞いてみると、一人事務所で仕事をしていると寂しいから、と。当時は「労働者というのは無責任に辞めても労働基準法に守られて恵まれた身分だ」などと社労士にあるまじきひねくれ方をしていた。しかし、そういう見方をする自分自身にすべての問題があることが分かってからは、定着率も生産性も向上した。

 私は管理を人馬一体で考えている。人馬の「人」とはスタッフの能力であり、経営の要だ。顧客接点であるスタッフの能力向上は必須である。次に、人馬の「馬」とは機能のこと。仮にどんなに優秀な人間でも、東京から大阪まで走れと言われて走れるものではない。しかし、新幹線や飛行機(機能)に乗れば、寝ていても大阪に着いてしまう。今は本当に良い時代になったもので、機能はITによるところが大きい。

 人の能力を活かし切るには良い機能を備えなければならない。今後ますます生産性向上に対する顧客のニーズは高まるだろう。うちの事務所は生産性向上の実験室。ヒトの生産性向上を通して、顧客である企業や社会のお役に立っていきたいと考えている。

社会保険労務士江尻事務所 江尻 育弘【沖縄】

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掲載 : 労働新聞 平成26年7月14日第2976号10面

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