生産性高めるコンサルを/特定社会保険労務士 杉山晃浩事務所 所長 杉山 晃浩

2017.04.02 【社労士プラザ】

 日本生産性本部の報告書によれば、平成27年の日本の就業1時間当たりの労働生産性は、4,439円であり、OECD 加盟国35カ国中20位である。労働生産性とは、生産量を労働投入量で除したものである。この数字をもとに、平均的なスタッフ1人が生み出す生産量は、4,439円×40時間×52週=923万3,120円となる。社労士事務所の生産量は、売上げと同一金額と考えても問題はない。たとえば、社労士とスタッフ各1人の事務所の場合、年間1,800万円の売上げがなければ、日本の平均以下の生産性の事務所であることが分かる。ちなみに、賃金情報サイト「年収ラボ」の情報によれば、27年度の社労士の平均年収は670万円、平均時給は2,548円となっている。私は、このような社労士像に「NO」を突き付けたい。

 ところで、28年度第2次補正予算以降、生産性をアップさせれば、キャリアアップ助成金をはじめ労働関係助成金が割増支給されるようになっている。29年度の労働関係助成金では、この傾向がさらに顕著になる。また、電通における長時間労働が社会的に大きな衝撃を与え、世の中が長時間労働の削減に向かっていることは明らかである。

 すなわち世の中は、労働時間を削減しながらも、付加価値を高め、従前と同様の成果を出す働き方を求めている。常日頃より労働関係を専門としている社労士にとっては、大きなビジネスチャンスの到来である。ただし、クライアントに対して、それらのノウハウをコンサルティングできる社労士に限ってである。

 もしも、ノウハウがないのであれば、自らの事務所を実験台にして、生産性アップの実験を行うことをお勧めする。たとえば、ミスをなくし、やり直しという無駄な手間をなくすために、業務の流れを見直す。

 業務工程を見える化して、クライアントからの問合わせにスムーズに対応できるようにする。恒常的な残業があるのならば、残業削減に有効といわれている方法を試してみる。クライアントが、残業削減を望んでいれば、一緒になって考え、実行を支援し、その経過を克明に記録する。これらの「行動言語」により、クライアントに対して自らの言葉で伝えることができるようになる。その結果、単なる手続き外注社労士から脱皮し、高付加価値のコンサルタントとして認知され、単価アップ・収益力アップ・生産性アップが実現できることになる。

 よって、これからの時代、コンサルティング能力がカギを握るのである。

特定社会保険労務士 杉山晃浩事務所 所長 杉山 晃浩【宮崎】

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掲載 : 労働新聞 平成29年3月27日第3106号10面

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