強度不足で土止めが崩壊、巻き込まれた労働者が頭部轢断で死亡 調布警察・三鷹労基署が業務上過失致死などで送検

2019.01.15 【送検記事】
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 東京・三鷹労働基準監督署は50歳の男性労働者が土止めの崩壊に巻き込まれ死亡した労働災害で、電設業者と同社の現場代理人を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。同日には調布警察も業務上過失致死罪の疑いで現場代理人を書類送検している。

 労働災害は平成29年1月28日に、同社が元請として入場する調布市内の鉄塔撤去現場で起きた。現場では鉄塔の基礎部分の撤去作業が行われており、基礎部分の周囲を幅約1メートル、深さ約2.9メートルまで掘削していた。

 掘削溝の中で3人の労働者がスコップを使って整地作業をしていたところ、土止めが崩壊、4次下請の50歳の男性労働者が巻き込まれた。労働者は土止めの「腹起し(矢板に水平に取り付ける部材)」と鉄塔の基礎部分に挟まれ頭部を轢断、同日死亡した。ほか2人の労働者は異音を聞いてとっさに避難し、被害をまぬがれた。被災労働者は土止めの破断部分の最も近くで作業をしていたという。

 労災発生を受け、同労基署は労働安全衛生総合研究所に原因の調査を依頼した。同研究所が現場を再現するなどの調査をした結果、土止めが強度不足で構造も不適切だったことが判明している。災害発生当日の天候は晴れ、無風で外的要因もなかった。同労基署によると、現場の作業員からは「危ないと思っていた」との声も聞こえたという。警察が業務上過失致死での送検に踏み切ったことからも、土止めは明らかな強度不足だっだとみられる。

【平成30年12月12日送検】

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