人事制度が「やりがい」導く/上社会保険労務士事務所 上 博美

2016.05.18 【社労士プラザ】

 私は、愛知県の北西部にある一宮市という町で社会保険労務士事務所を開いている。勤務時代も含めるとこの世界に足を踏み入れて早や16年になる。

 一宮市はかつての織物産地としての活気はやや下火にはなっているが、最近では喫茶店のモーニングサービス発祥の地(諸説あるという)として注目されている。私もクライアントとの打合せでよく「一宮モーニング」を利用している。

 景気回復の影響からか、最近では社員の人事評価・処遇などの人事制度についての問合せや依頼を多くいただいている。クライアントのほとんどが中小零細企業であることもあり、「人事評価などしたことがない、そもそも人事評価って何?」という会社からの依頼もある。

 給与や賞与については経営者の一存として「この仕事の経験年数はどのくらい? どのくらいまでの仕事ができるの?」、「前の会社ではいくらもらっていたの? だったら○○万円だね」という感じで決められることが多いようだ。

 経営者の長年の経験と勘で決められてきたものを改め、明確なルールを作り、運用していく過程で社会保険労務士として活躍する場が出てくる。

 最近特に思うのは、社員の成長を目的として、人事制度の導入を考える経営者が多くなっていることだ。会社が成長するには、社員一人ひとりが力を付けていくことが大事だと実感されているからなのだろう。

 先日、ある経営者と面談させていただいたときに「俺はいままで自分勝手な考えで社員の給料や賞与を決めてきたが、これからは制度に基づいて決める。なので助けてほしい。社員の幸福のためにやりがいのある、そして将来に希望の持てる会社にしたい」とのお話をいただき、まさに人事制度の目的そのものだと感じた。「してやったり」である。この社長さんのように、人事制度の本来の目的は、社員のみなさんが仕事にやりがいを感じ、日々充実感を持って働ける仕組み作りだと考えている。

 このような制度作りや社会保険労務士としての日々の業務は労働集約的なところもあり、長時間労働になりがちではあるが、それを上回るほどの価値がこの仕事にあると強く実感する毎日である。社会保険労務士になって本当に良かった。

上社会保険労務士事務所 上 博美【愛知】

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掲載 : 労働新聞 平成28年5月16日第3064号10面

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