業務効率化がWLBのカギ/藤田社会保険労務士事務所 藤田 拓也
仕事とは、生活を支える賃金を得るために必要不可欠なものである。また、充実した人生を送るための糧として、仕事に対してやりがいや生きがいを見出すことも大切である。
しかし、「生活のための仕事」でなく、仕事のために私生活まで犠牲にしてしまい、心身に異常をきたし、精神疾患を患ったり、最悪の場合、過労死や自殺に至ったり、あるいは家庭崩壊に陥るなどといった事例が発生している。
こうした問題は、我われの日常生活や将来への大いなる不安を抱かせ、社会の活力を低下させてしまうことになる。また多忙でありながら、安定した生活ができないことは少子化につながり、人口減少の原因となってしまうとも考えられている。
仕事と生活の調和と経済成長は比例するものであり、性別や年齢を問わず誰もが意欲と能力を発揮して労働市場に参加することを促す動きが「ワーク・ライフ・バランス(WLB)」である。
しかしながら、女性の多いある企業で「ワーク・ライフ・バランス」についての意識調査を行ったところ「制度を知らなかったなど、周知ができていない」、「頑張った人が評価されていない」、「業務の効率化(ムダが多い)」といった声が上がった。つまり、制度が周知されていないため、また、評価基準が明確に定められていないため、非効率的な業務がなし崩し的に行われ、悪循環に至っているのが現状である。
それ故に、こうした状況を改善するためには、企業および従業員の双方の努力が必要であると考えている。
まずは就業規則の見直しに取り組んでいるところではあるが、評価制度の数値化なども行い、労使がそれぞれその規則に則った業務活動を行うことが必要である。
そのためには業務の効率化とそれを実現するシステムの構築が必要なのである。こうした対応ができなければ、「年休取得率の向上」、「時間外労働削減」の実現も、もしかしたら困難になるかもしれない。
社労士として、この機会に就業規則の見直しについての周知徹底、さらに業務の効率化まで支援することができれば、地域のモデルケースとして周囲に良い影響を与えることができると考えている。
藤田社会保険労務士事務所 藤田 拓也【愛媛】
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