【ひのみやぐら】強風に対し早めの備えを

2023.09.12 【ひのみやぐら】
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 台風シーズン真っ只中となった。大雨、強風ともに注意が必要になるが、本稿では風に焦点を当てて考えてみたい。風は台風が過ぎ去った後でも吹き続け、また、突風という形でいきなり現場を激しく襲うこともある。

 強風によって労働災害となったケースでは、風にあおられてバランスを崩して高所から墜落したり、物が飛来し、体にぶつかって負傷するケースがたびたび見られる。また、つり上げたクレーンの荷が振れて、労働者に激突する災害もあるという。

 さらに深刻なのは、第三者を巻き込む公衆災害が多発しているということだ。移動式クレーンが強風で倒れ、ジブが停車していた車や近隣の住宅などを押しつぶす映像をテレビで見たことがあるだろう。また、強風により足場が倒壊したニュースを見た人もいるはずだ。足場が崩れたことにより、通行人が死亡するケースも起きている。埼玉県東松山市のマンションで平成24年、外壁補修工事の足場が倒れ保育園児2人が死傷した痛ましい事故があった。記憶に残っている安全担当者も少なくないだろう。

 クレーンや足場が倒れることで、線路、道路、電線などインフラに被害を与えた場合、多くの人の生活や仕事に影響し、経済的損失は計り知れない。

 強風が予想される場合は、事前に足場のシートの取り外しや巻取りなどを行い、シートに加わる風圧力を低減する、足場と建物をつなぐ「壁つなぎ」の点検、飛来・落下のおそれのあるものは取り除く、などの対応が求められる。また、作業中止基準を明確にし、とくにクレーン作業などでは早々に切り上げる必要がある。

 近年は、スマートフォンなどにより、早めに天気予防を確認することができるようになった。連絡体制も一斉送信などの手法で、スムーズに関係者全員に行き渡る。

 その一方で、強風による事故は後を絶たない。背景には、安全への油断や軽視、さらには余裕のないスケジュールなどが考えられる。

 台風は、少なくとも数日前から予想がつく。「まだ、大丈夫」と思わず、早め早めの備えをお願いしたい。

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2023年9月15日第2434号 掲載

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