【主張】日本式経営の再起に期待したい

2013.02.25 【社説】
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 昨年暮れ、朝日新聞は「追い出し部屋」が大手企業に存在し、退職強要をしていると報じ、厚生労働省に対しその詳細を報告するよう求めた。同省は1月末、先行調査の結果を公表している。

 失われた10年の始まりだった01年頃を第1次大量リストラとすれば、現在、第2次リストラが進行しているのは、公然の事実である。田村憲久厚労相は「しつこく退職を迫れば違法になる」という認識に立ち、報道された大手5社に任意で聞取り調査を行った結果、「連日のように社員に退職を促す面談をしていたとの回答はなかった」と判断し「明らかに違法な退職強要を行っていると考えられる事案はない」と結論付けた(本紙2月18日付1面参照)。

 第1次リストラのとき、強要役だった社員は「同僚に迫るのはつらいが、やらないと迫られる側になってしまう」と苦渋の表情で語っていた。当時、去るも地獄、残るも地獄というセリフが飛びかったと聞いているが、その後の求職活動をみると、明らかに残る方が有利であり、単なる口説き文句だったといえる。

 今回の先行調査結果で「追い出し部屋」は、なかったとされたが、大量人員整理は公表されており、眉唾ものだ。

 菅野和夫「労働法第10版」には、「労働者に対して合意解約ないし一方的解約(辞職)としての退職を勧奨する場合にはその任意の意思を尊重する態様で行うことを要する」「社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為は不法行為を構成し、当該労働者に対する損害賠償責任を生じせしめ得る(下関商業高校事件=最一小判昭55・7・10)」「嫌がらせによる退職強要行為を不法行為として、会社と実行者の双方に損害賠償責任を課したエールフランス事件=東京高判平8・3・27」などが紹介されている。

 かつてもてはやされた、年功序列・終身雇用を基盤とする「日本式経営」は、再起不能になったのだろうか。三種の神器の1つに祭られた家電は、日本産業を引っ張っていた。その企業が「追い出し部屋」騒動に巻き込まれたのは、痛恨の極みではないか。

平成25年2月25日第2910号2面 掲載

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