確定給付企業年金法施行令 第54条の2~第54条の9
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(令和6年11月1日施行)
第七章 確定給付企業年金と確定拠出年金との間の移行等
(確定拠出年金を実施する場合の積立金の移換)
第五十四条の二 法第八十二条の二第一項の規定による積立金の移換は、次に定めるところにより行うものとする。
一 加入者の給付の額を減額することにより当該加入者の個人別管理資産(確定拠出年金法第二条第十二項に規定する個人別管理資産をいう。以下同じ。)に充てるものであること。
二 移換加入者(法第八十二条の二第二項に規定する移換加入者をいう。以下同じ。)となるべき者の範囲が同条第一項の規約において定められていること。
三 前号の移換加入者となるべき者の範囲は、特定の者について不当に差別的なものでなく、かつ、加入者が任意に選択できるものでないこと。
四 当該移換加入者の個人別管理資産に充てることができる金額は、イに掲げる額からロに掲げる額を控除した額に相当する額(次号及び第五十四条の四において「確定拠出年金対象移換相当額」という。)であること。
イ 給付の額の減額に係る規約の変更が効力を有することとなる日(以下「規約変更日」という。)を法第六十条第三項に規定する事業年度の末日とみなし、かつ、当該規約の変更による給付の額の減額がないものとして同項の規定の例により計算した額
ロ 規約変更日を法第六十条第三項に規定する事業年度の末日とみなして同項の規定の例により計算した額
五 移換加入者となるべき者のうち実施事業所の事業主が実施する企業型年金(確定拠出年金法第二条第二項に規定する企業型年金をいう。以下同じ。)の資産管理機関(同条第七項第一号ロに規定する資産管理機関をいう。第五十四条の六において同じ。)への確定拠出年金対象移換相当額の移換に代えて確定拠出年金対象移換相当額の支払を受けることを希望する者(法第八十二条の二第一項の規約を定めることに同意しない者に限る。)に対して、確定拠出年金対象移換相当額の支払を行う旨を同項の規約で定める場合にあっては、当該確定拠出年金対象移換相当額を一時に支払うものであること。
(確定拠出年金を実施する場合の残余財産の移換)
第五十四条の三 法第八十二条の二第六項の規定による残余財産の移換は、次に定めるところにより行うものとする。
一 残余財産のうち、法第八十九条第六項の規定により、終了制度加入者等(同項に規定する終了制度加入者等をいう。以下同じ。)に分配されるべき額を当該終了制度加入者等の個人別管理資産に充てるものであること。
二 残余財産の移換に係る終了制度加入者等の範囲及び個人別管理資産に充てる額の算定方法が法第八十二条の二第六項の規約において定められていること。
三 終了した日における積立金の額は、当該終了した日を法第六十条第三項に規定する事業年度の末日とみなして同項の規定の例により計算した額を下回らない額であること。
2 前項第二号の規約において残余財産の移換に係る終了制度加入者等の範囲を定める場合において、当該範囲に属しない加入者があるときは、当該範囲に属する加入者の二分の一以上の同意及び当該範囲に属しない加入者の二分の一以上の同意を得なければならない。
3 前項の場合において、企業型年金が実施される実施事業所が二以上であるときは、同項の当該範囲に属する加入者の同意は、各実施事業所について得なければならない。
(資産の移換をする場合の掛金の一括拠出)
第五十四条の四 事業主等が法第八十二条の二第一項の規定に基づき積立金を移換する場合において、規約変更日の前日における積立金のうち当該移換に係る分として厚生労働省令で定める方法により算定した額が移換加入者に係る確定拠出年金対象移換相当額の合計額を下回るときは、法第五十五条第一項の規定にかかわらず、当該移換に係る事業主は、当該下回る額を、掛金として一括して拠出しなければならない。
(確定拠出年金への移行に伴う閉鎖型確定給付企業年金)
第五十四条の五 基金の実施事業所の事業主が企業型年金を実施している場合には、規約で定めるところにより、加入者の全部又は一部について、加入者期間のうち同時に当該企業型年金の企業型年金加入者期間(確定拠出年金法第十四条第一項に規定する企業型年金加入者期間をいう。)であった期間を給付の額の算定の基礎としないこととすることができる。
2 前項の規定を適用する場合においては、当該基金の加入者期間を額の算定の基礎とする給付が支給されることとなる加入者の数が、第六条に規定する数以上であるか、又は当該数以上となることが見込まれなければならない。
(企業型年金の資産管理機関等への脱退一時金相当額の移換の申出)
第五十四条の六 第五十条の二の規定は、法第八十二条の三第一項の規定による脱退一時金相当額の企業型年金の資産管理機関又は確定拠出年金法第二条第五項に規定する連合会への移換の申出について準用する。この場合において、第五十条の二第一項中「第八十一条の二第一項の」とあるのは「第八十二条の三第一項の」と、「、同項」とあるのは「、法第八十一条の二第一項」と、「移換元確定給付企業年金(法第八十一条の二第一項に規定する移換元確定給付企業年金をいう。)」とあるのは「当該確定給付企業年金」と読み替えるものとする。
(中途脱退者等への事業主等の説明義務)
第五十四条の七 事業主等は、当該確定給付企業年金の加入者が当該加入者の資格を喪失したときは、厚生労働省令で定めるところにより、法第八十二条の三第一項の規定による脱退一時金相当額の移換の申出の期限その他脱退一時金相当額の移換に関して必要な事項について、当該加入者の資格を喪失した者に説明しなければならない。
(独立行政法人勤労者退職金共済機構への積立金等の移換の基準)
第五十四条の八 法第八十二条の五第一項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
一 法第八十二条の五第一項の規定による移換の申出は、同項に規定する合併等を行った日から起算して一年を経過する日(天災その他その日までの間に申し出なかったことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ日の属する月の翌月の末日)までの間に限って行うことができるものであること。
二 中小企業退職金共済法第三十一条の三第一項(同条第六項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定による資産の移換に同意した者(次号において「同意移換者」という。)に係る移換されるべき額として厚生労働省令で定める基準により算定した額の合計額(同号において「中小企業退職金共済対象移換相当額」という。)を移換するものであること。
三 積立金(法第八十三条の規定により当該確定給付企業年金が終了した場合は、法第八十九条第六項に規定する残余財産)のうち当該移換に係る分として厚生労働省令で定める方法により算定した額が同意移換者に係る中小企業退職金共済対象移換相当額を下回るときは、法第五十五条第一項の規定にかかわらず、当該移換に係る事業主は、当該下回る額を、掛金として一括して拠出しなければならないものであること。
(確定拠出年金又は独立行政法人勤労者退職金共済機構からの資産の移換の基準)
第五十四条の九 法第八十二条の六第一項の政令で定める基準は、同項の移換又は引渡しを受けた額の算定の基礎となった期間の全部又は一部を、厚生労働省令で定めるところにより、当該加入者に係る加入者期間に算入するものであることとする。